ミニノベル:偽りの楽園
タイトル「偽りの楽園」【正史シナリオ】
登場人物:謎の少女???、衛兵A・B
場所:ウィシュトリア帝国領 国境大橋 検問所
時間軸:イリィー&ゾフィー中
状況:?????
衛兵「そこの小さいの、止まれ」
???「………」
大きな波の音が響き渡るここは、エルグランデとウィシュトリアを繋ぐ国境大橋の入り口。全身をマントで隠した小柄な女が警備に当たっていた衛兵に止められる。
衛兵「怪しい姿だな。ここも、そしてこの先も温暖な気候だぞ。余程日差しが嫌なのかな?」
???「………」
衛兵「へえ、だんまりかい。まぁいい、通さなきゃ良いだけだ」
???「………」
衛兵の脅し文句にも動じず、少女はピクリとも動きを見せない。ただひたすら衛兵の前に立ち、目線を合わせない。衛兵からもこの少女が貧困に喘ぎ、着るものも無く布に巻かれているだけのか弱い平民には見えず、かと言ってやすやすと通そうものなら国家間の軋轢を生みかねないため、同様に無言で静止する。
だが、まるで石になったかのように動かない少女が作り出すその沈黙に耐えきれなくなった衛兵は、再度呼びかけを行う。
衛兵「通して欲しいのなら、身分を示せるものを提示してくれないかな?このままじゃ互いのためにならん」
???「………」
その一言で少女は遂に動き出した。マントの中でごそごそと何かを探すと、ギルド証を提示して、一言だけ言い放った。
???「クエスト」
衛兵「ほう、国境をまたいでクエストだって?バカ言えーー」
少女のギルド証を見た衛兵は硬直し、次の瞬間には別人のような顔つきになっていた。
衛兵「お、お時間をおかけして申し訳ありませんでした…。お通りください…」
???「ありがとう」
必要最低限の一言だけを返し、少女はウィシュトリア側の検問を抜けエルグランデへと向かう。緊張から解き放たれた衛兵は崩れ落ち、それを見た仲間の衛兵が駆け寄ってきた。
衛兵B「大丈夫か?」
衛兵A「き、緊張した…」
衛兵B「…あのガキか?」
衛兵A「ば、バカ!ガキとか言うんじゃねえ!殺されるぞ!」
衛兵B「殺されるって…お前、ただのガキだろ?」
衛兵A「あー、殺されたわお前…。だってお前あの方なーー」
衛兵Aが衛兵Bに耳打ちをすると、衛兵Bもまた持っていた槍をポロッと落として絶句した。
衛兵B「に、任務に戻りましょう!」
衛兵A「そ、それが良いでしょう!それが良い!異常なーし!異常なーし!」
というわけで、エイプリルフールのネタが思いつかなかったのでとても意味深なミニノベルをしたためました。
サブエロなど含め、ストーリーをきちんとプレイした方ならタイトルでピン!と来る…のかな?
今回登場した「謎の少女」はもちろん「イリィー&ゾフィー」にて登場します!嘘じゃないですよ!
これも嘘ではないのですが、彼女にスポットをあてた追加コンテンツも実装予定です!発売まではまだまだ気の遠い話ですが、本シリーズは割と真面目な物語がちびちびと進行しておりますので、興味を持っていただけると幸いです!
また、用語などをまとめたものを用意する予定です!シリーズが出る度更新するか、Wiki形式にするかは悩みどころですが、こちらもスローペースながら進行しておりますのでよろしくおねがいします!