【年末SP】ミニノベル:プリンシアの覚悟

こんにちは!おくらマリンのおくらです!
もうそろそろ2018年も終わりですね。「無知っ娘イルヴィナ」を発売して、もう終わり…。改めて早いなぁと感じております。

さて、今回は年末ということで特別なノベルティを書きました!
今回、追加アップデートで本格的に登場したプリンシア姫ですが、次回作「イリィー&ゾフィー」ではあまり登場しません。
その理由として正史シナリオ上の大きな都合があって忙しい日々を送っているというのがありますが、今回はそのトゥルーの道を歩んでいくプリンシア姫のお話をひとつ。


タイトル「プリンシアの覚悟」【正史シナリオ】
登場人物:プリンシア、カリスト、他兵士等
場所:エルグランデ城 場内 訓練場
時間軸:イリィー&ゾフィー前 無知っ娘イルヴィナプリンシアモード以降
状況:プリンシア、カリストに剣の稽古をつけてもらっている。


プリンシア「はぁああっ!!」

プリンシアの雄叫びと共に、木剣同士がぶつかり合う音が部屋中にこだまする。
プリンシアは衛兵用の訓練施設の一部でカリストの手ほどきを受けていた。プリンシアから申し出たこの訓練を、カリストは厳しい目で精査していた。

カリスト「脇が甘い!」

プリンシア「こ、こうかっ!」

カリスト「ええ、その調子です」

もう何週間が経過したかは数えていない。だがその期間でプリンシアの剣士としての技量も、そして自覚も著しく成長した。

プリンシア「あと3ッ!2ッ!1ッ!………」

プリンシアは最後の一撃を躊躇った。それを見てカリストが声をかける。

カリスト「終わりですよ」

プリンシア「…」

プリンシアはしばしの沈黙の後、急に三連撃をカリストへと打ち込んだ。驚きはしたが、剣術をマスターしているカリストはこの三連撃を軽々と木剣で受け止めていった。

プリンシア「はぁ…はぁ…」

カリスト「…なるほど。姫様の考えていることがなんとなくわかりましたよ。正解を聞いても?」
そう聞かれ、プリンシアは手を広げてカリストを一時静止させて息を整えた。ふぅーと一息天を向いて吐き、キリッとした目でカリストの目を見て話し始める。

プリンシア「100本の打ち込み。最後のカウントダウン、2を数えたところからわらわは終わりだと思って大振りになってしまったのじゃ。最後の一撃を入れようとした時に、このままでは怒られると思ってな。大振りになった2本分、教えてもらったことを踏まえて全力で挑もうと思ったのじゃ」

カリスト「やはりそうでしたか。でも、良かったですよ。それでもまだ力が入り過ぎてはいますがね」

プリンシア「厳しいのう…」

カリスト「戦場ではそうは言ってられませんからね」

プリンシア「わかっておるわかっておる」

耳にタコが出来るほど聞いたセリフを聞き流すと、カリストが「休憩しましょうか」と言い、プリンシアは首を縦に振った。

二人は椅子に腰をかけると、近くにいた近衛兵から水をもらい口にする。激しい運動をして多くの水分を消費した体に、常温の水ですら川の水のような冷たさを感じて「くぅー!」と感嘆を漏らす。

カリスト「ご成長なされましたね」

プリンシア「お主のおかげじゃ、カリスト。しかし髪が邪魔だのう!手塩にかけて育てたと言っても良い髪がここまで鬱陶しいと感じたことは初めてじゃ!」

カリスト「そうですね。ただでさえ毛量が多いですし」

たしかに、プリンシアの毛量はすごい。ツインテールを作りながらそれでもまだ後ろに垂らすだけの量があるのだから。

プリンシア「散髪も考えねばな。じゃがそれ以上に…乳が重い!」

姫の性的な発言に近くの兵が数名ビクッと体を震わせ、無礼に当たると感じたのか頑張って体を静止させているものの、カタカタと震えているのが鎧の擦れる音で丸分かりだ。それでもなお女二人のトークは続く。

カリスト「そうですね。姫様は元からバストが豊満ですし」

プリンシア「そういうカリストも大きいではないか。邪魔だと思ったことは?」

カリスト「多分にあります。まぁ、冒険者時代はそこまで大きい方では無かったので動きやすかったと言えば動きやすかったですね」

プリンシア「ああ、アズモデの件か…」

カリスト「ええ」

カリストはかつての偉業を成し遂げる際に、体を性処理に特化した姿へ改造されている。昔は豊満ではなかった胸もまた肥大化の術をかけられており、現在はこれでも小さくなった方だ。
対してプリンシアは元から豊満であるがゆえに、これ以上小さくなるには老化するしかない。現在もイルヴィナ とお揃いの冒険者風服に布を軽く巻きつけた上、鉄のチェストプレートを取り付けて胸の動きを抑えている。

プリンシア「剣士とはかくも大変なものなのじゃなぁ。やっぱり魔術師の訓練にしたほうがよかったかのう」

カリスト「たしかに姫様の才能を考えれば魔術師の方が向いているとは思いますが、それでは陛下のご期待に沿えますまい」

プリンシア「そうじゃけど…」

プリンシアは深いため息をついた。カリストは少し心配そうにプリンシアのことを見つめる。

プリンシア「どうして建国者であるご先祖様の英雄アシュの武器が斧なのに、王家の秘宝が剣なのじゃろうか…」

カリスト「さあ」

プリンシア「とはいえ、扱えるのがエルグランドロス家の血筋だけとは…。我が国の歴史を改めて勉強する必要があるのう…」

カリスト「………」

姫には明かされていない事実を、カリストは全て知っている。姫であるプリンシアがこの話を王から聞くのがいつになるのか以外は。

プリンシア「まぁ、わらわがなんとか頑張るしかなかろう!カリスト、続きを始めるぞ!ノルトハイム流を教えてくれ!」

カリスト「…そうですね」

プリンシア「で、次は?」

カリスト「打ち込み100回です」

プリンシア「またか!」

カリスト「姫様には剣士としての持久力と体力が欠けているんですから。ほら、グズグズしてるともう100回追加しますよ」

プリンシア「わ、わかったのじゃ〜!!」


という感じで、姫様は頑張って剣術を学んでおります!
これには深い理由があるのですが、今のところ本人にも内緒のようですね~。何があるんだ!?
ちなみにイルヴィナの服とプリンシアの服は破れたりしないという加護がついてたりします。だからこの衣装なわけですな!

イリィー&ゾフィーで明かされるのかどうかはお楽しみに!

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