発声の「アクセント」と「イントネーション」の違い
「イントネーション辞典」は存在しない?
NHKなどから「アクセント辞典」は古くから出版されていますが、「イントネーション辞典」というのは見たことがありませんよね。
もともとアクセントとイントネーションとはどう違うのでしょうか。似てるからついゴッチャにしてしまっているこの2つの言葉。
世に「アクセント辞典」しかないところにヒントがあるのかもしれません。
アクセントは単語
例えば「雨が降る」という文があったとします。これは分解すれば
アメ ガ フル となります。
(文節分けにするか、単語分けにするかで色々変わりますがここでは単語分けにしておきます)
アメは下から上がるか、上から下がるかで、飴と雨と別の意味を生み出します。
単語の最小単位での強弱、これがアクセントです。
そしてこの「雨」はアクセント辞典に載っています。
(ハズです…手元に無い… (´д`)
イントネーションは文
そして逆に単語の積み重ねにより発生する文章全体強弱の事をイントネーションと言います。
先の「雨が降る」で考えてみましょう。
これから雨が降るね、という一般的な会話においては
ア↓メ↓ガ↓フ↑ル↓
となります。
ではここで声優さんに別のニュアンスを出してもらいたいと仮定します。
「雨が降りそうなんだけど…まさかね…?」
この場合、演技者によって様々ではありますが一例として
ア↓メ↓ガ↓フ↑ル↓→↑
「ル」の語尾をしゃくりあげると、このようなニュアンスになります。
また、「アメガ…! フ…ル?」などと間を作ったりする演技もあります。
しかしここまでくると、もうアクセントとかイントネーションの範疇を越え「演技」レベルに入ってくるので今回は見送ったほうが良いでしょう。
つまりイントネーション辞典はなぜ無いか
イントネーションは単語の集合体です。しかも組み合わせにより多くのバリエーションが出てきます。
それを強引に「イントネーション辞典」などと作り上げたら百科事典レベルとなり、実用的ではありません。
アクセントは単語! それはアクセント辞典で調べる。
イントネーションは文! それは多くのセリフを聞いて身につける。
そんな感じでまいりましょう!