エコーとリバーブとディレイの違い
『ぴぐみょん効果音素材集020指パッチン』
ぴぐみょん効果音素材集020指パッチン発売にあたり、その中でエフェクトとして使われているエコー、ディレイ、リバーブの違いについてお話したいと思います。
エコーという言葉はどんな人でも聞いたことはある筈です。カラオケでエコーつまみを上げると声がウワーッと広がって上手い感じになりますよね。
しかしエコーという言葉はエンジニアの間では俗語に近い形で使われており、正確にはディレイもしくはリバーブ、またはそれらを組み合わせたものとして区別しています。
ではディレイとリバーブの違いを説明しましょう。
ディレイとは
いわゆる山彦効果です。「ヤッホー」と叫ぶと「ヤッホー…ヤッホー…ヤッホー」と全く同じ音が徐々に小さくなりながら繰り返されていき、やがて消えていくものです。
例えばこのような「ヤッホー」という声があったとします。
これにディレイをかけてみると…
こんな感じになります。これがディレイです。
リバーブとは
ではリバーブとはどんなものでしょう。これはいわゆるお風呂の残響です。言葉の説明よりも実際に音を聞いてもらったほうが早いでしょう。
例えばこのような「あ~ええ気持ちやぁ~」という声があったとします。
これにリバーブをかけてみると…
こんな感じになります。これがリバーブです。
使い所を間違えると…
例えば「ヤッホー」にリバーブをかけてみます。
これじゃトンネルの中ですね。いや、トンネルの中という設定ならこれでも良いんですが。
また、「あ~ええ気持ちやぁ~」にディレイをかけると…
これは嫌ですねw より嫌な感じにするためにディレイを左右に振ってみたので、ぜひヘッドホンでお聞きください(笑)。
ではディレイとリバーブを重ねがけしてみましょう
より自然な、または効果的な音響にするにはエフェクトの重ねがけをします。ここでは「ヤッホー」と「あ~ええ気持ちやぁ~」に、ディレイとリバーブの重ねがけをしてみます。
ヤッホー
あ~ええ気持ちやぁ~
ディレイとリバーブを組み合わせる事により、ディレイ独特のいかにも繰り返していますという不自然さが薄れましたね。
セリフとエフェクトが合っているかというのは別にして、ですが(笑)。
エンジニアは魔法使い
ディレクターさんや歌手の人は、この辺の違いはあまり頓着しません。
「エコー深ぎるよー」とか「後はエコーで飛ばしといて」という感じ。
そこにもって「いえ、ディレイかリバーブか、はっきりしてください! アーリーリフレクションは何ミリsecですか? ローカットは!?」とかやると嫌われて仕事がなくなるだけです
エンジニアは魔法使いだと思いましょう。
魔法のツマミをクイッと回すだけで、「おお~いいじゃん、ありがとう」と言われる。
個人的にはそんな感じで良いんじゃないかと思っています。