チェーンライド 2018/05/14 10:00

姫騎士隊長洗脳改造 第四章

第四章 ドール改造開始

「さ、入った入った」
「ああ、失礼する……」
 ティーノに促され、カレンは連日訪れることになった、男がラボを構える宿屋の一室へ入った。
 予定どおりにカレンと噴水広場で合流を果たし、最後に残った不安要素も霧散しただけあって、ティーノも笑顔を隠せない。
「えーと、あっちが一週間寝泊まりすることになるゲストルームだ。荷物はそこに置くといい」
 ティーノが指差したものを含め、ここには別室に繋がる扉があわせて三つある。ひとつは、昨日カレンも入った研究用の部屋で、もうひとつはティーノの寝室だろう。さらにゲストルームとこの応接間があるので、ここは四室構成のスイートルームということになる。
(媚薬屋というのは、それほど儲かるものなのか……)
 高級宿でなくとも、これほど広い一室を無期限で借りるには、それなりの財力がないと無理だろう。その金を生み出すのに、多くの女性が涙を流したのではないのかと思うと、カレンはなんともイヤな気分になる。
「……どうした? 早く荷物を置いてこいよ」
「あ、ああ、わかった」
(余計なことは考えるな、今は自分の治療に専念しないと……)
 湧いた嫌悪感を心の奥底にしまい込み、カレンは一週間分の着替えが入ったかばんを持って、ゲストルームに向かう。
「悪いが休んでる時間はないから、荷物を置いたらすぐにここへ戻ってきてくれ」
「了解した」
 かちゃ……ばたん――
(さて……)
 カレンがゲストルームに消えると、ティーノはすかさず宿屋の廊下へ出る扉についている内鍵をかけた。
 ここまできてまず失敗することはないだろうが、万が一のこともある。カレンが逃げ出す可能性は少しでもさげておきたかった。
(カレンがイノセンシアスーツを着ていたら、鍵をかけていてもドアごとぶち破るのかもしれないが……)
 噴水広場で再会したカレンは、飾り気のない白いブラウスにロングパンツという、きわめてシンプルな私服姿になっていた。
 訊ねたところ、イノセンシアスーツを非番のときに着用するのは原則禁止されているという答えがカレンから返ってきた。
 カレンを改造器にかけたあと、奪ったイノセンシアスーツの解析もするつもりだったので、ティーノとしてはあてがはずれた格好だ。
(まあ、それはあとのお楽しみに取っておこう……)
 ドール改造がうまくいけば、カレンに命令してイノセンシアスーツを持ってこさせればいいだけだ。焦る必要はない。まずは、泣く子も黙る三番隊長を、己の言いなりになるドールへ改造するのが先決だ。
「……お待たせした」
 ティーノがあれこれ考えていると、ゲストルームからカレンが戻ってきた。
 もちろん、内鍵をかけられて、逃げ出せない状況に陥っているなど、露とも思っていない。それだけ、カレンの中でティーノへの信頼は強いものになっていた。
「じゃあまずは……これを飲んでくれ」
 そう言って、ティーノはカレンに小さな薬ビンを渡した。
「これは……?」
「検査薬だ。まずは、身体の状態を調べないといけないからな」
「そ、そうか……」
 得体の知れない薬を飲むのは少し怖い。しかし、この男が怪しげな薬を用意するとも思っていなかった。
「んっ……」
 きゅっと薬ビンをあおり、カレンはひと口で薬を飲みこんだ。それを見て、ティーノはこれまでと打ってかわって凶悪な笑みを浮かべる。
(ふふふ、これで詰んだな、カレンっ!)
「え、ええと……?」
 ティーノの雰囲気が変わったことを本能的に察し、カレンはピクっと身体を震わせた。
(こ、この男……どこかで……)
 だが、脳内のデータベースに一致する人物は登録されていなかった。当然ながら、ティーノは魔導器を使って顔を変えているので、半年前に取り逃がした改造屋とも繋がらない。それでも、深層意識が訴えるのか、警戒心が湧きあがってくる。
「どうかしたか? カレン」
「い、いや……その……ひゃうっ?」
 瞬間、ぐるっと視界が回り、カレンはすとんと腰を落とす。
「なっ、な、に……?」
 どういうことなのか訊ねようと、ティーノに視線を向けようとするが、それすらままならない。めまいが加速し、視界がぐるぐる回る。
「あ、あ、あぁ……っ……」
 カレンの顔が恐怖に歪む。だが、その怖いという感情もすーっと薄らいでいく。
 そして――
「っ……」
 上半身がぐらぐらと揺れ、ほどなくしてばたっと床に倒れこんだ。
「……薬が完全に回ったみたいだな」
 カレンの意識がないことを確認すると、ティーノはさきほどかけた内鍵をはずした。
「それじゃ、本当のラボへご案内だ」
 いわゆるお姫様だっこの格好でカレンを抱きあげて、ティーノは部屋の外に出た。
 廊下には、他の宿泊客の姿などない。それも当然で、最上階には、ティーノの部屋しかないからだ。
 そのままティーノは昇降器に乗りこんだ。そして、カレンの身体を一度床に降ろし、ポケットから鍵をひとつ取り出した。それを、並んでいる階数ボタンの一番下にある鍵穴へ入れ、ぐるっとひねる。
 昇降器の扉が閉まり、降りはじめる。現在の階数を示す針が動き、やがて地上階を指した。しかし、そこではとまらず、さらに降下していく。
 がごん……
 ようやく昇降器がとまり、扉が開く。しかし、普通なら鳴るはずのチャイムがない。
「ついたぞ、カレン」
 意識のない相手にそう言って、ティーノは再びそのやわらかな肢体を抱きあげる。そして、本拠地であるメインのアジトに繋がる地下道を、ゆっくり歩きだした。

 カレンが真のアジトに連れこまれて、一時間ほど経った頃――
「ん……ふ……」
 カレンがゆっくり意識を取り戻していく。ただ、あまり心地のよい目覚めではない。泥沼からようやく顔を出すことができたような気持ち悪さを感じていた。
「ん……んんっ……?」
 視界が戻り、男の姿が飛びこんでくる。だが、気を失うまで一緒にいた相手ではない。
「えっ……?」
「……ひさしぶりだな。カレン・アペリティ」
「ま、まさか……きっ、貴様ああああぁっ!」
 目の前にいる相手が、改造屋ティーノだと気づき、カレンは反射的に殴りかかろうとした。しかし……
「っ……ぐっ、くぅっ!」
 なにかの台に乗せられ、四肢が完全に拘束されていた。しかも、男の前で大きく脚を開いている格好を取らされている。
「はっ、離せぇっ、離せえええっ!」
 必死に逃れようとじたばたするが、拘束具はびくともしない。それでもしばらく抵抗を続けたが、さすがに無駄だとわかったのかおとなしくなった。
「やっとまともに話ができそうだな」
「き、貴様……ど、どうして……?」
「どうしてって、わからないのか?」
「あ、あの媚薬屋が、自分をおまえに売ったのか……?」
「あー……ホントにわかってないんだな……ふふふ、それだけ俺の魔導器は完璧だったってわけだ」
 にやつきながら、ネックレス状の魔導器にちょんと指で触れた。瞬間、ティーノの顔がふっと揺らぐ。
「――っ!?」
 揺らぎが収まると、その顔は媚薬屋バレンティンに変わっていた。
「どーも、隊長さん」
「き、き、貴様が……あの……っ……」
「ははは、まんまとだまされてしまったな、カレン」
「くっ……」
「相手が俺とも知らず、オマ○コをいじらせたんだぞ、おまえ」
「っ……うぅぅっ……」
 宿敵とも言える相手に、女として一番大事な部分を触られたどころか、あまつさえ絶頂に追いこまれたのだ。媚薬のせいだとはいえ、死にたくなるような屈辱と恥辱を感じる。
 だが、ティーノの言葉責めはこれで終わらない。
「あと、最初に媚薬を吸ったとき、俺に隠れてオナニーしてたよな?」
「っ……」
「あれはまあ、ちょっと悪いことした。イク寸前で声をかけちゃったからな」
「ぁ……っ……」
 あのときのことも一部始終覗かれていたのだ。あまりに恥ずかしくて、カレンは血が滲む勢いで唇を噛みしめてしまう。
「というわけで、おまえはまんまと俺の罠にはまったってわけだ」
 恥辱に震えるカレンの姿を満足げに見つめながら、ティーノは魔導器のスイッチに触れて顔を元に戻した。
「さあ、カレン……半年前の償いをしてもらうぞ」
「つ、償い? 自分をどうするつもりだ?」
「どうするって、決まってるだろ、ドール改造するんだよ」
「――っ!」
「カレン、おまえは俺のドールになるんだ」
「…………」
 恐ろしい企みに、カレンの顔が青ざめる。
「はははは、鬼の切り込み隊長が、ずいぶん情けない顔をしてるじゃないか」
「うっ、うるさいっ! ああっ、くそっ、くそおおっ!」
 再び逃れようと抵抗するカレンだが、やはりどうにもならない。
「さて、それじゃそろそろ裸になってもらおうか」
「なっ……」
 ナイフを握ったティーノを見て、カレンは顔を引きつらせた。それが、明らかに殺傷能力の高い戦闘用のものだったからだ。
「なあ……どうしておまえが寝ている間に、服を脱がさなかったかわかるか?」
 そう言って、ティーノはブラウスの襟をつかみ、ナイフを差し入れる。
「わ、わかるわけないだろ……」
 喉元にナイフを突きつけられる格好になり、カレンは恐怖に顔を歪ませながらそう答えた。
「正解は、脱がされるときのおまえの反応が見たかったからだよっ!」
 ナイフをさげると、一番上のボタンがぶちんと飛んだ。そのままさらに、ブラウスを切り裂いていく。
「いやっ、いやあああああっ!」
 ぶちん、ぶちんとボタンが飛び、前がはだけていく。色気のない、スポーティーなブラが露わになった。
「おいおい、もうちょっと色気のあるブラをしろよ」
「見るなっ、見るなあぁっ」
「ドール改造が終わったら、とびきりセクシーなランジェリーを用意してやるからな」
「なっ……」
 カレンが絶句しているうちに、ブラウスのボタンはすべてなくなり、上半身が完全に露出した。ティーノはさらに、ロングパンツの留め具をベルトごと切り裂く。
「あああっ!」
「さーて、一気にいくぞ」
 ここからは、ナイフを使うのは危険だと判断し、ティーノは素手でロングパンツを力任せに引き裂いていく。
「いやあああぁっ!」
 ビリビリとパンツが破れて、ショーツが露呈した。
「……なんだよ、こっちも色気がないな」
「ああああぁっ、見るなああぁっ」
「私服の時くらい、もうちょっとおしゃれしろよ」
 ティーノが思わず苦言を呈するくらい、カレンの下着は素っ気ない。男物とほとんどかわらない、装飾のないシンプルなものだった。
「せめて中身くらいは、女らしくなってるんだろうな?」
「――っ!」
「じゃあ、まずは胸の方から見せてもらおうか」
 ティーノは、がっとブラジャーを思いきりつかんだ。
「やっ、やめろっ、やめろおおおおっ!」
「おらあっ!」
 荒々しく、ティーノがブラジャーをビリビリと引きちぎる。ぽろん、ぽろんと、ふたつの乳房が順に露呈していく。
「いやああああああああぁっ!」
 ブラから解放された双乳は量感もあり、形も悪くない。ふたつの隆起にそれぞれ咲いた蕾は、いかにも処女らしい淡い桜色だった。
「ほう、なかなかいい乳してるじゃないか。ドールにしたあとたっぷり愉しませてもらうぞ」
「だ、だれがドールに……ああっ、やめろおっ!」
 カレンがわめいている間に、ティーノは最後の一枚に手をかけた。
「さあて、こっちはどうなってるかな?」
「ダっ、ダメだっ、それはっ、それっ……いやああああああああぁっ!」
 ビリビリっと引き裂かれたショーツはただの布きれとなり、ぱさっと床に落ちた。
「これがカレンの……しかし、マン毛がぼうぼうだな」
「っ……」
「ちょっとひどくないか? 手入れなんかまったくしてないんだろ?」
「うぅぅ……」
 今の今まで、シモの毛を手入れするなど、カレンは考えもしなかった。もちろん、知識としてはあったが、それは娼婦か恋愛真っ最中の一部の若い女性がやることであって、一般的な広がりはないと思っていた。なのに、ティーノに指摘されると、どうにもこうにも恥ずかしくてたまらなくなってしまう……
「まったく、いくら腕っ節が強くても、身だしなみをおろそかにしてるようなやつは、イノセンシアの団員として失格だぞ」
「ああ……」
「さて、それじゃ処女膜のチェックといくか」
「え……?」
「おまえの自己申告だけじゃホントかどうかわからないからな。処女かどうかでドール改造のモードも変えなきゃならないし……」
 そう言って、ティーノはカレンの足下にしゃがみこみ、秘苑の両側に指を添えた。
「ひいいいいっ」
「それじゃ、カレン隊長のオマ○コ、ご開帳の儀だ」
 花びらに添えた両手の指を外側にずらしていき、ピンクの粘膜をくぱぁっとくつろげていく。
「いっ……やああぁっ……あっ、あああぁ……」
「おー……ちゃんとあるじゃないか、処女膜が……」
 ティーノの言葉どおり、指一本とおるくらいの穴が空いた薄皮が、秘苑の少し奥に存在していた。
「あ、ああああぁ……」
 あまりの恥辱に、カレンはまともな言葉が発せられない。他人にそこを拡げられて覗かれるなんて、死にたくなるくらい恥ずかしい。しかも、相手はあのティーノだ。恥辱に合わせて最大級の屈辱も込みあげてくる。
「うん、それじゃ改造器の設定は処女モードでやってやるからな」
 カレンの恥辱と屈辱に身悶える反応に満足し、ティーノは秘苑から指を離した。それから、残っている服の残骸をすべて引きはがし、生贄を一糸まとわぬ姿にする。
「さ、これで素っ裸だ。いつでも、ドール改造がはじめられるぞ」
「くっ……くそっ……」
 手足に力を込めて抵抗を試みるカレンだが、やはり拘束具はびくともしない。
(もう、手はないのか……いや……)
 絶望しかけるカレンだが、ふと思い出した。
 カレンは、数ヶ月前にイノセンシア団長のアルティエが開発した、抗改造薬を服用していたのだ。それはその字のとおり、ドール改造に耐えうる身体へ変えてくれる薬だ。
 以前、改造屋を摘発したときに接収した改造器を徹底的に調べあげ、アルティエはドール改造のときに使われる魔導触媒を特定することに成功していた。そして、すぐさまその魔導触媒を無効化する薬を生成し、イノセンシアの団員すべてにそれを処方したのだ。
(薬の効果は半永久的なはず……だったら、今も……)
 たぶん、これからどれほど物理的に抵抗しても、逃れるのは至難の業であり、十中八九、改造器にかけられてしまうだろう。だが、ドール改造が失敗に終われば、ここから解放された瞬間、勝機が訪れる。
 カレンは、それに賭けることにした。
「…………」
「……どうした? もう暴れないのか?」
「……無駄なことはもうしない」
「なるほど、諦めたってことか」
「違う。最後に勝つのは自分だ」
「ははは、この状況でよく言うよ」
 笑って見せたが、ティーノの目は真剣だった。
(こいつ、なにか隠しているな……)
 それがなにかはわからない。ただ、カレンが奥の手を持っているのは明らかだった。
「それじゃ、時間ももったいないし、そろそろドール改造をはじめさせてもらうぞ」
「…………」
 なにを言われても、カレンは無言で睨みつけるだけだった。だが、その態度は万策尽きて諦めたようにはひとつも見えない。現に、瞳の奥には反抗の炎がめらめらと燃え盛っている。
(しかし、なにか切り札があるなら、それを感じさせないように振る舞うのが駆け引きってもんだろうに……)
 思わず苦笑しそうになったティーノが顔を引き締めた。こちらはカレンが腹に一物持っていることを気づかないような素振りを続ける。
「……そうだ、おとなしくしているのが一番だぞ」
 適当なことを言いながら、ティーノは改造器の操作盤に向かう。
「それでは、これからイノセンシア三番隊長、カレン・アペリティのドール改造をはじめる」
「っ……」
「初期接続、開始……」
 ティーノが、操作盤のレバーをひとつ手前に倒す。
 すると――
「――ひっ!?」
 足下からチューブ状の器具が現れ、ニュルルとカレンの股間へ伸びていく。
「いやっ、いや……ひううっ!」
 カレンはわずかに動く身体をじたばたさせるが、まともな抵抗にはならない。結局、改造器の器具は股間に届き、そのまま秘部を包みこんだ。
「ああああああぁっ……」
 カレンが悲鳴をあげている間にも、改造器は動き続ける。今度は先端がカップになっているふたつのチューブが現れて、震える乳房に襲いかかった。
「ひあああああっ!」
 結局、どうすることもできずに、カレンの秘部と乳房は改造器の器具に覆われてしまった。
「初期接続、完了。続いて、二次接続、開始……」
 そう言って、ティーノは操作盤のもうひとつのレバーを手前に倒した。
「ひっ……んっ、あっ、あああっ、あはああああああああああああああぁっ!」
 拘束を受けている身体をガクンと大きく弾ませたカレン。各所を覆っている器具から、細い糸状の触手が無数に出てきて、乳首や秘苑をさわさわと刺激しはじめたのだ。
「あっ、いやっ、あああっ、ダメぇっ……んっ、あああああああああんっ!」
 敏感な性感帯を微妙なタッチで刺激されて、カレンは一気に燃え盛る。爆発的な快感が、全身を激しく駆け巡りはじめた。
「あああっ、んああっ、あっ、んんっ、あんっ、ああっ、ダメっ、ダメっ……んあああっ、そんなぁっ……あっ、はあああっ!」
「いいぞ、順調だな」
 触手からフィードバックされてくる、カレンの快感レベルを操作盤で確認しながら、ティーノはほくそ笑む。どれだけ能書きを垂れようとも、この改造器にかけられて抗える女などいないのだ。
「んっ、あっ、ああっ、いやっ、いやああん……んっ、ああああっ、あはんっ、んっ、あああんっ……んっ、あああああっ!」
「いやじゃないだろ、いいんだろ?」
「そんなっ……んんんっ、あああんっ、ダメぇっ……んんっ、あっ……はああああっ……ひっ……んくううううぅっ!」
 わずかに残った矜持を示すためか、カレンは決して快感を認めようとはしない。しかし、ティーノがチェックする操作盤では、絶頂間近という値が表示されていた。
「ふむ……それじゃ……」
 操作盤を操作して、ティーノは秘部を覆っている触手の動きをとめた。これで、動いているのは胸を責めている触手だけになる。
「んっ……んあっ……あっ、はぁ……んふん……」
 もっとも鋭敏な箇所への愛撫がとまり、ひと息ついたカレン。しかし、乳首は乳首で大きな性感帯であり、再びじわじわと昇りはじめていく。
「あんっ……んふっ、ああっ、いやぁん……こっちも、とめろぉ……んっ、ああん」
 カレンの哀訴など聞き入れるはずもなく、ティーノは操作盤のレバーをいじってひたすら乳首責めを続ける。
「あはぁっ……んんっ、あんっ、ああっ、ダメぇっ……んっ、あんっ……ひうっ、んっ、はっ、あんっ、ああんっ!」
 触手のみならず、乳房を覆ったカップが吸引をはじめた。カップの中で柔肉が、むにゅむにゅと揉みしだかれるように変形していく。
「んあっ、あああっ、んっ、ふっ……んんっ……あっ、ああんっ……んっ、あっ、はぅっ……んっ、あはぁっ……」
「乳首だけじゃなく、胸を揉まれるのも好きなようだな」
「違っ……ぅああんっ、んっ、あっ、あっ、あんっ、ダメっ、そんなのっ……ひっ、ああっ、うふんっ!」
 乳房をこねくり回されながら、乳首を触手でちろちろと責め抜かれるとたまらない。相乗効果により、カレンの裡に走る快感電流の強さが倍増した。
「あっ、ああっ、んっ、ああああっ、もうっ、やめっ……んああっ、あっ、あはぁん……んっ、ふあああっ!」
 ブルっ、ブルっと身体を二度大きく震わせたカレン。改造器の操作盤に表示されている快楽の数値が跳ねあがる。いつアクメを迎えてもおかしくない状態だ。
「おっ、もうそろそろか?」
「いやっ、あああっ、とめっ……もっ、うあああああっ、ダメっ、ダメぇっ、ひううううううううっ!」
 カレンの全身がきゅーっとつっぱりはじめる。
 そこで――
「これでどうだっ?」
 ティーノは操作盤のレバーをつまみ、くいくいと上下に操作した。すると、細めの触手がカレンのピンと勃起した乳首にきゅっと巻きつく。
「ひああああっ!」
 巻きついた触手が乳首を締めあげて、そのまま激しくしごきたてはじめる。その責めから生まれる刺激は強烈で、カレンは抗いきれない。
「ああああああああっ、ダメっ、ダメえええええええっ、ああっ、あっ、んっ、あっ、ふっ……あああああああああああああああああっ!」
 改造器に拘束された不自由な身体を極限まで硬直させて、カレンは軽いアクメを迎えた。
「すごいな、カレンは胸でイケるのか」
 操作盤に表示されているカレンのパラメータを見て、ティーノはそう呟いた。
(これほど性感が豊かなら、性感帯の改造は必要最小限でいいだろう……)
 ティーノの改造器は女体にやさしい造りになっているが、それでも肉体改造を施せば多少なりとも負担をかける。なので改造レベルは小さければ小さいほどいい。そういう意味では、カレンはとてもドール改造しやすい素材と言えた。
「んんっ……はっ……うぅ……んく……」
 絶頂を迎えたカレンは、ピクつきながら苦しげなうめきを漏らしている。それでも、乳房から得られるエクスタシーはやはり浅く、呼吸もままならないほどのレベルには達していない。
「さて、お次はこっちだ」
 そう言って、ティーノは操作盤のレバーを再び動かしはじめる。
「んっ……んっ、あっ? ひぐっ!?」
 まだ絶頂から降りきってないところで、カレンの股間を覆う器具が再稼働をはじめた。無数の細い触手が、にゅるにゅると濡れそぼる秘苑に襲いかかる。
「ひああああああっ、ダメぇっ、そ、こっ……んっ、ああああああああああああっ!」
 ガクンガクンと身体を震わせて、カレンはあられもない声をあげた。しかし、触手は容赦なく生贄を責めたてる。充血して肥大化した肉芽をコリコリと撫でさする一方で、粘膜の中に侵入し、Gスポットをちくちくと刺激する。
「んああっ、あっ、ひっ、ぐっ……んっ、はっ、あっ、はっ、んんっ、ああっ、ああっ、ああああああああんっ!」
「すっかり改造器が気に入ったようだな」
「うあううんっ、んんっ、はうっ、んっ、ひっ……はぅっ、くっ、んああっ、あううんっ……」
 もう、ティーノのあおりに言い返す余裕もなく、カレンは大きく目を見開いて、ひたすらあえぎ続けている。見ればもう操作盤のパラメーターは、絶頂ラインを超えていた。
「そろそろイクんだろ?」
「あああんっ、んっ、あっ、ひうんっ……んあっ、あっ、あはっ……あんっ、ああっ、あああっ、ひああああああああんっ!」
 ティーノの問いかけに反応せず、絶頂へ向かうカレン。しかし、自らそれを認めるような言葉だけは口にしない。それが、イノセンシア三番隊長の矜持だといわんばかりに。
「あっ……んっ……はっ、うっ、くっ……んああああああああああああああああああああああああああああんっ!!」
 結局、アクメを迎えたような言葉を発しなかったカレン。しかし、改造器の操作盤に示される数値を見れば頂点に到達しているのは明らかだった。
「二次接続完了……三次接続……開始……」
 ティーノは、操作盤の新たなレバーを手前に倒した。
 ガタン……
 改造器から機械音が発せられたあと、カレンの頭部上方が開き、あらたな器具がせり出してきた。
「んっ……はっ……んく……」
 激烈なアクメの最中にいるカレンは、改造器の変化に気づかない。酸素を求めるように大きく開かれた口へ、素早くチューブが侵入していく。
「ふぐっ……くっ……ふっ……」
 抗うこともままならず、改造器に口腔を犯されるカレン。そのままチューブはずるずると喉奥へ侵入していく。そして、ある程度の深度まで到達すると、さらにあらたな器具が出てきて生贄の顔をすっぽりと覆う。
「ふ……く……」
 フルフェイスのヘルメットのような器具が、カレンの頭部を完全に包みこんだ。もう、その表情を確認することはできない。だが、操作盤に表示されるパラメーターを見れば、きちんと状況は把握できる。
「……ふむ、問題ないようだな」
 これまでのところ、エラーはひとつも出ていない。すべて順調だ。
「ぐ……く……」
 ピクっとカレンの身体が震えたあと、操作盤のシグナルがグリーンに変わった。
「三次接続完了……ドール改造、開始!」
 そう言ったと同時に、ティーノは操作盤にある一番大きなレバーを手前に倒した。
 がこんっ……
 改造器から大きな音が発せられたあと、左右から半透明の扉がカレンを包みこむように現れていく。そのまま、扉は左右が閉じ合わさり……
 がちゃ――
「ん……」
 カレンはなにもわからないまま、その身体をすべて改造器に包みこまれてしまった。
「……触媒、注入」
 ぶしゃっ……ぶしゃしゃしゃしゃー……
 操作盤のレバーを倒すと、改造器内部へ液体の放出がはじまった。だが、やはりカレンは気づかない。
「…………」
 自分がどういう状況におかれているのかもわからず、なすがままになっている。
 それどころか――
(気持ち……いい……)
 改造器の中へ流れ込む液体に、全身を包まれていく感覚がとても心地いい。これまで感じてきた激烈な快感とは違い、どこかほっとするような気持ちよさだ。
(ああ……)
 思考が退行していき、考えるのがおっくうになってきた。このまま、ほわっと心地いい感覚に包まれていたいと思う。
「……精神状態、問題なし」
 カレンの心が、改造に対して抗っていないことを確認する。
 そして――
「……安定、確認。自動運転に切り替え」
 改造器に身を委ねるカレンをちらっと見て、ティーノは操作盤の大きなボタンをぐいっと押した。これでしばらくは、張りついて改造器を操作する必要はない。
「……ふうっ」
 大仕事を終えて、ティーノはひと息ついた。しかし、まだ改造が成功したわけではない。
(あの余裕が、気になる……)
 改造器にかけられたあと、カレンは途中からさほど抗わなくなった。その態度を見る限り、改造は失敗するという感じだったが……
「…………」
 普通に考えれば、ここまできて改造に失敗するのはあり得ない。ただ、イノセンシアの団長は稀代の魔導士であるアルティエだ。彼女が半年前に自分のアジトから押収した改造器を調べあげて……
(……いや、それはないはず)
 脱出する際に、改造器は爆破して破壊したはずだ。稼働品でなければ調べられる部分などたかが知れている。
 万が一、中枢部分を解析できたとしても、サブアジトにあったものは、微調整用に使っていた一世代前のものだ。今、カレンをドール改造しようとしている最新型に対抗できるようなものは絶対にできないはず……
(それでも、用心はしておいた方がいいか)
 なにかあったらすぐ対応できるように、ティーノは改造が終わるまでこの場に留まることにした。
 それから、ほどなくして――
 ぴぴっ……
「んっ!?」
 改造器の操作盤からアラームが鳴った。瞬時にティーノは警告灯を覗きこむ。色は黄色であり、ワーニングの発生を知らせていた。
「ええと……」
 どうやら、脳を書き換える際に使われる、魔導触媒がうまく働いていないようだった。しかし、エラーではなく警告を意味するワーニングであり、改造に失敗したわけではない。ほどなくして、ランプは正常を示すグリーンに戻った。
(なるほどな……カレンの強気はこれだったのか……)
 たぶん、特定の魔導触媒を拒絶するような抗体ができる薬を、アルティエあたりが開発したのだろう。だが、見たところ抵抗できたのは、レベルの低い改造器で使われている基本の触媒にすぎない。
(俺の改造器は、この程度じゃとまらないぜ)
 ティーノの改造器に使われている魔導触媒は改良に改良を重ねており、複数のパターンから脳への浸食を試みる。なので、ひとつしか防ぎ方を持っていない抗体など、簡単に突破できるのだ。
「これで本当に俺の勝ちだ、カレン」
 カレンを飲み込んでいる改造器に視線を向け、ティーノは不敵にそう言い放った。
 
 ピッ、ピッ、ピッ……
「……全パラメーター、正常」
 すべてグリーンに灯っているランプ群を確認したあと、ティーノは操作盤のレバーに手をかける。
「これより、手動操作に切り替えて、引きあげ作業に入る」
 そう宣言して、操作盤のレバーを動かしはじめるティーノ。いくつかのレバーを慎重に奥へ倒していく。
 ピ――――――――っ!
 大きなアラームが鳴った直後、ゴゴゴと改造器本体が唸りはじめる。それからしばらくすると、カレンを覆っていたシェルがゆっくり開きはじめた。
 カプセルに包まれたカレンが姿を現す。液体は排出されていたが、各所を固定する器具はそのままで、その表情は伺い知れない。
「……問題なし、作業続行」
 カレンの様子をひと目見たあと、ティーノは再び操作盤のレバーを動かした。
 すると、カレンを拘束していた器具がするするとはずれていく。顔を覆っていたヘルメット状の器具もはずれ、口に侵入していたチューブもずるっと引き戻った。
「…………」
 顔が露わになったカレンだが、まだ意識が戻らないのか瞳は閉じられたままだ。
 そして、股間を覆う器具もゆっくりはずれていく――
「……イニシャル、確認」
 ティーノの視線の先にあるカレンの下腹部には、あざのような花模様が薄く浮き出ていた。
 これこそ、カレンがドールになった証し――ドールサインだ。
「ん……」
 まだ意識のないカレンがわずかにうめく中、首や胴体をいましめていた拘束具もはずれる。そして、操作盤のシグナルにすべてグリーンが灯った。
「ドール改造……成功……」
 勝利を宣言するように、ティーノはゆっくりとそう呟いた。
 その直後――
「んっ……んん……?」
 改造器の中で横たわるカレンが、静かに瞳を開けた。

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