おがくず御殿 2018/06/18 11:26

玲美様の奴○でございます。【オナラ、足臭】(1)

私という存在を一言で表すならば、玲美様の奴○でございます。

 私は玲美様の身の回りの世話、家事、洗濯、料理、その他雑務に日々励み、玲美様の精神的安寧のため、サンドバックとして虐げられる、それが、私の仕事であり、存在意義であり、無上の喜びであります。

 時刻は午後十時、そろそろ玲美様が事務の仕事からお帰りになる時間です。私は玄関に赴き、ブリーフ一丁の姿で正座をし、玲美様の帰りを待ちます。

 正座を始めて十分くらいでしょうか。玄関のドアが勢い良く開け放たれ、見た目麗しい女神様が御姿をお現しになられました。

 言うまでもなく、それは玲美様でございます。

「あぁぁ~~~っもう!」

 玲美様は後ろ手にドアを閉めるなり、ヒールを履いた脚で地団駄を踏み、苛立ちを露わにしました。

 怒りに顔が歪んでおられましたが、しかしそれでも玲美様は美しい。特に、その細まった艶美な目に、私は陶酔せずにはいられないのです。

 はっ、と私は自我を取り戻します。いけない、私は何をやっているのでしょう。ご主人様がお帰りになられたのですから、私はご主人様に今日も一日無事に帰ってきてくださったことに感謝の念を捧げなければなりません。

「お帰りなさいませ」

 私は額を床に擦りつけ、玲美様に満腔の感謝を捧げます。

「…………」

 あぁ、玲美様の鋭い視線を感じます。私は堪らず、実に不躾ながら、己の愚息を勃起させてしまいました。

「顔を上げなさい」

 玲美様の麗しい声が私の鼓膜を溶かします。私は「ありがとうございます」と面を上げさせていただける喜びに感謝を捧げながら、ゆっくりと頭を上げました。

 すると、視界はベージュ色一色に。

 それからむちぃ、と得も言われぬ感触、圧迫感が私の顔面を支配しました。

 お尻ーーベージュのパンストにムッチリ詰まったお尻に踏み敷いていただけたこと、それを認識した次の瞬間です。

ぶりぃ……!

 鼻先から重低音が放たれ、同時に私の鼻腔を凄まじい臭いが支配しました。

 放屁です。

 玲美様が放屁をなされたのです。

 私は歓喜に全身が打ち震えるのを感じました。玲美様のお尻に敷いていただけるだけでなく、腐敗ガスの廃棄場としてご選択いただけるなんて。

 私はガス処理器として玲美様のご期待に添うべく、必死に鼻を鳴らして玲美様のオナラの臭いを嗅ぎました。きっとストレスが原因でしょう。玲美様のオナラは腐った肉のような強烈な臭いで、目眩を催すほどでした。

 しかし、だからこそ、いい! 

 玲美様のオナラを嗅ぎ、私のペニスはますますと浅ましく勃起し、溢れ出た我慢汁がブリーフに染みを形成しました。

 やがて、玲美様のお尻から、ようやく屁の残り香が薄れてきた頃。

「……ふん」

 そう鼻を鳴らした玲美様はヒールをお脱ぎになられると、私の横を通り過ぎてリビングにお向かいになられました。

 私はその仕打ちに、背筋が震えるほどの官能を覚えました。

 帰宅の儀の役割を果たした私は、僭越ながらリビングに戻らせていただきました。

 玲美様はソファに腰掛け、テレビをご鑑賞になっていらっしゃいました。

 私は玲美様の隣に正座し、有事の際にいつでも対応できるよう待機いたします。

 ふと、玲美様がおみ脚をお上げになられました。

 私はそのサインを見逃すほど、愚鈍な奴○ではございません。すかさず玲美様の前で寝そべると、足台兼消臭器としての役割を全うさせていただくのです。

 私の顔面を支配する、玲美様の足裏。

 一日社会の労苦に身を窶したのだと分かる、汗で蒸れてじっとりと湿った足の裏。放たれる臭気は当然尋常ではなく、強烈な汗臭さにほんのりと皮の臭いが混じり、まさに「足」という臭いを何倍か濃縮したような、玲美様の前でお口にすることは憚られるのですが、まぁ端的に言って……臭い、尋常ではないほど臭い足裏でございます。

 普段から玲美様の足はかなり臭うのですが、今日は殊更強烈です。おそらく、社長との会食があったためでしょう。玲美様は美しいが故に必然ではありますが、代表取締役のお気に入りで、時たまに食事に誘われるのです。

 さぞかし苦痛であったことでしょう。社長の気を損ねないであろうフレーズを厳選し、何の面白味のない話に相槌を打つ。不快さと緊張に、たっぷりと足汗をかいたことでしょう。

 その総決算が、玲美様の足の臭いなのです。

 私は玲美様に限りない幸福と繁栄が訪れるよう祈りながら、懸命に足の臭いを嗅ぎました。また勃起したペニスから我慢汁が漏れてしまいます。

 あぁ、見られてしまいます。足の臭いを嗅いで、我慢汁を漏らす浅ましい姿を……。

 玲美様は麗しいお声でおっしゃいました。

「どう? 今日のはキツいでしょう?」

 ご自分でも足の臭いの強烈さに気づいていらっしゃるのでしょう。私は「とても芳しい香りでございます」と心からそう答えました。

「ふゥん……」

 玲美様はつまらなそうに鼻を鳴らすと、おみ足の位置をずらしました。

 そのつま先が、私の鼻先にーー

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