yatsureCreate 2018/10/07 19:43

【ノベル】プレイガールースタッド編ー 本編

もしも、目の前で好みの少女が眠っていたとして、貴方なら、どうする・・・?

森に仕掛けられた数々のトラップを運で躱し、いかにも怪しい建物へと辿り着いたアキラはその建物内部の明かりが消えていることを窓の様子から察した。不在の可能性を考慮し、念のため玄関ドアの施錠状況を確認しておこうとドアノブに手をかけたらあっさりと開いてしまったものだから、気配を殺し、ドアノブを握った時のようにトラップを警戒しつつ部屋の内部を進むことにした所、ベッドに横たわる少女を発見した次第だ。

一人分のベッドに仰向けで横たわり、掛け布団もかぶらずに穏やかな寝息を立てている少女は、服装から察するに魔法使いだろう。暗い紫色のローブに反して銀色の長い綺麗な髪を垂らし、その整った顔を際立たせている。控えめに申し上げてもドストライクで、この娘の為なら世界と戦争しても良いと思えるほどアキラは興奮し、躊躇なく足元に広がるローブの裾に手をかけ、ゆっくりとめくり始めた。

カーテンから差し込む日の光のお陰で、暗闇というほど暗くはない。彼女の細く綺麗な御御足が徐々にその姿を現し、裾を掴む手に力が入る。ふくらはぎ、ひざ、ふともも・・・・。そうしてあっという間に少女の穿いている無骨なショーツまで露わになった。
ここでアキラは考える。この上下ともにつながったローブ。もっとめくれば、彼女の慎ましいおっぱいまでイケるのではないか、と。
だが、すでに下半身を露出させることには成功した。その労力とリスクは、この純白の布をずり下ろすか、香りを楽しむために使った方がいいのではないか。考えているこの時間すら惜しまれる。アキラは決断した。こいこい。

お尻の下敷きになっている部分が厄介だが、行くしかない。臀部の裾へと掴み直し、力強く、ゆっくりと腰の方へとずらして行く。ここまで彼女は無反応だ。状況を見るに仮眠かと思われたが、どうやら深い眠りに入っているようだ。なんと不用心な。もう少し。もう少しでお尻から足の部分のローブを腰の方へとずらし終える。そこまで行けば、あとはもうなんとでもなるだろう。

「んん・・・・・」
「!?」

少女はむにゃむにゃと身体をよじるが、こういう時のアキラは強い。そのドサクサに乗じてススーっと首元までめくってしまう。極めて控えめに、しかししっかりと膨らんだ少女の乳房は、それに見合う小さなピンク色の乳首を備えており、綺麗なちっぱいだなぁと思う頃にはアキラの舌は胸の先端へと這わせられていた。

痛覚を刺激しないよう、唾液を多くのせつつも音が鳴らないように気を配り舌を動かす。ほんのりとしょっぱい少女の柔肌を堪能しつつ、片方の手のひらは乳房をふわふわともてあそぶ。とうの昔にアキラの頭は沸騰しており、もうこの場で彼女の四肢を縛り強○するかどうかの判定が毎秒行われていた。
そんな事だから、少女が目覚めたことに気がつかない。

「んにゅ・・・・?」
「(しまった言い訳のしようが無い・・・!)」
「・・・・!?」
「(が、ここはスマイル・・・!笑顔は全てを解決するのだ・・・!!)」
「で、出てけー!!」

キィン・・・!
気がつけば、アキラは少女の家の直ぐ側まで転送されていた。距離が近いとはいえ転移魔法・・・!なるほど、上位の魔法使いに違いはなさそうだ。アキラの身体に緊張が走る。さぁ、本番はここからだ。
今一度、彼女の家の玄関へと目をやろうとした時、見慣れないものが視界に入り、思わずそちらの方へと視線を移す。そこには、ドラゴンの卵では無いか、と思うほどの大きさがある不気味な青い玉と地下への階段があり、その脇には看板が立てられている。念のためにと近づき看板を読むと、どうやら階段の方は謎のダンジョンに繋がっている、という記述の後に"スタッド"と名が記されていた。青い玉の方は、よく分からない。

「え、ちょっと面白そうじゃない・・・?」

アキラの悪い癖である。看板に記された情報の様子では、"スタッド"と"ダンジョン"は無関係な様だった。
恐らく"スタッド"とは、魔女の名前だろう。なにせ謎のダンジョンだった、という記述の後に"二度と潜らない"と決意めいたことが記されていたから。
だからこそ、アキラにとっては魅力的だった。久々のワクワク感。少女との戦いに備えて、準備運動と行こう。

なんとも軽快にダンジョンへと足を踏み入れたアキラは、後に「あれは良い修行だった」と語った。




ダンジョンでの出来事は割愛したい。それはそれはとんでもない。レッドドラゴンを見かけたときは流石に死を覚悟したものだ。
だが、それも過去の話。機会があれば、語るとしよう。

突然の修行回も終わり、今のアキラに怖いものなどなかった。この世で一番強いとは言わないが、少なくともG・ガーデン内では最強レベルになったのではないか、とすら思う。
ともあれ、イエロードラゴン程度なら余裕で倒せるほどダンジョンで破茶滅茶を繰り広げたアキラは、再び魔女の玄関扉のドアノブに手をかけると、意外にもまたもや容易く扉は開いた。
室内には十分な明かりが点いていて見通しが良い。30畳はありそうなだだっ広い部屋と、その右手方向に続く別の部屋。建物の外観からして大きいとは思っていたが、なんともシンプルな造りである。
床に敷かれた絨毯には大きな魔法陣が描かれており、少し背中がヒヤリとする。先ほどお邪魔した時には気がつかなかったからだ。
魔法陣の先には横に長い机が佇み本や書類が乱雑に置かれていて、その向こう側には先ほどの少女・・・否、魔女スタッドが待ち構えていた。
服装は変わっていないが、開かれた両目は殺気を灯している。

「またか。本当に懲りない連中だな。欲しいのは私の魔法書か?首か?何れにしても、お前は殺すがな。」
「いやー、実は私・・・」

突然、魔法陣が光を発して唸りを上げる。アキラは目を逸らさず、事の顛末を見定め身構える。この肝の座り方は天性のモノだ。
雄叫びと共に魔法陣から姿を現したのは黄色い大きなドラゴン。翼を左右に広げ、身体を大きく見せる様にしてアキラを威嚇する。
なるほど、今まで偵察隊や武闘隊が壊滅させられた理由も頷ける。ドラゴンを使役されては逃げる事も出来ない。
この建物に到着した時に違和感は感じていた。もしも魔女に殺されているなら、その痕跡、または死体くらいは外に有っても良いだろうと考えていたが、それがなかったことに。
皆、このドラゴンの腹の中という訳だ。

「・・・ほう?私のドラゴンを見ても驚かないなんて。少しは骨のある者を寄越した訳だ。」
「あはは・・・。本当なら、私もそのドラゴンのお腹の中に行く予定だったよ。」

ピクッ。魔女の眉が動き眉間にシワがよる。それを合図にドラゴンの牙がアキラへと襲いかかった。
真っ先に口を大きく開き首を傾けて噛みつきを仕掛けてくるのは、今までもそうやって人間と戦闘した事を連想させる。
他人に興味など無いが、なんとなく嫌な気持ちになったアキラは思いのまま力一杯ドラゴンの顎を下からぶん殴る。
低く鈍い音と共にドラゴンが天井を見上げつつ、がら空きになった胴体を駆け上がりドラゴンの視線の先へと跳んで、強力な炎魔法を頭から全身に突き抜ける様に撃ち放った。
爆撃音が建物全体を揺らし、アキラが床に着地するのと同時に身体を倒したドラゴンは、動かない。

「・・・・え?」
「さて・・・私の勝ちでいいかな?」

スタッドは目の前で起こった出来事を上手く整理できていない。
聞いてない。人間界にドラゴンを瞬殺する人間がいるなんて。

「ま、待って!私のドラゴンを殺さないでくれ!!」
「いーよー!」

どうやら辛うじて生きていた様でアキラはホッとした。召喚獣使いは、得てしてその召喚獣を大事にする傾向にある。
彼女との今後の関係を考えれば、殺してしまうのだけはまずい。
そして、恐らくこれで終わりでは無いだろう。わざわざ魔界から人間界へと移り住む様な魔女が、この程度で終わるはずがない。
黄色いドラゴンが姿を消す。さぁ、いよいよだ。

「(いそいそ・・・・いそいそ・・・・)」
「・・・・?」

アキラが心の準備をしていると、スタッドは何やらいそいそとし始めたが何かを召喚する気配がない。
魔力を溜めている様にも見えるが、あまりにも隙だらけだ。

「えっと・・・終わりじゃない・・・よね?
「巫山戯るな!待ってろ、今次のドラゴンの準備をしてるから!!」

ふざけてるのだろうか。彼女の声は真剣そのものだったが、もしかして彼女はお花畑で蜜を吸って生きてきたのであろうか。
魔界の噂は予々聞いているが、まさかそんな筈はあるまい。現に彼女は、人間をドラゴンに食わせることに躊躇がなかったのだから。
達人同士の戦闘ともなると故意に隙を見せ相手を誘う、という駆け引きがしばしば見られるが、彼女はどう見ても自身で戦うタイプには見えない。

「・・・!?な、なんだよ!」
「いや〜・・・それはこっちのセリフっていうか・・・」

アキラはまるで街をブラつく様なノリで歩いてスタッドに近づき、いそいそと魔力を溜める彼女の両腕を絡め取って片手で制する。彼女は近接戦闘経験が皆無なのだろう、本当に容易かった。
振りほどこうと暴れる彼女の両腕をギリギリと締め上げ苦痛を与えると、顔を歪ませながら少し大人しくなる。
あまり手荒な真似はしたくないが、とはいえここまで無防備な据え膳、食わない理由もないだろう。

「ねぇ・・・私、貴女の事が好きになっちゃったんだ。」
「はぁ・・・!?何を言って・・・おい!どこ触ってんだ!!」

空いている手のひらは、自然な手つきでスタッドの慎ましい乳房にあてがわれ、微かに実った柔らかい肉をふわふわと揉んでいる。
彼女が下着を着けていないのは、先ほど確認済みだったので、余計に我慢が効かなかった。
着ているローブも生地が柔らかく、彼女の乳房の感触を損なう事なく忠実に伝えてくれる。
緊張しているのか、膨らみの先端が固さを帯び始め、手のひらをつん、つん、と突き自己を主張してくるので人差し指で軽く撫でてあげる。

「やっ・・・!」
「スタッドちゃんって言うんだよね?私の名はアキラ。スタッドちゃんって、可愛いよね」
「な・・・!そ、その手には乗らな・・・・んむっ・・・!!」






「な・・・!そ、その手には乗らな・・・・んむっ・・・!!」

堪らず唇を重ね、黙らせる。自分がスタッドを求めている、と言う主張を込めて舌を差し入れ、ちゅくちゅくと舌を絡ませる。
粘膜同士の接触は気持ちが良いものだ。胸を揉みしだいていた手を顔に添え、強○的に口づけを続行する。
舌を噛まれるのではないか、と言う警戒を怠らずに舌を絡ませているが、どうやらその気配はないので下奥歯の上面をなぞる。
今まで抗議の声しかあげていなかったが、少し色のある音に変わってきた。
さり気なく顔に添えている手の指は、何本か首元の頚動脈を抑え酸欠気味にさせている。

「あ・・・・・は・・・・・!」
「んっ・・・・ちゅ・・・・♡スタッドちゃん・・・・すきぃ・・・・♡」
「お・・・お前の目的は、私の首ではないのか・・・んっ・・・!」
「んー、確かに討伐依頼だったんだけど、スタッドちゃん可愛いから、お嫁さんになって欲しいなって・・・ちゅ・・・♡」
「んあっ・・・!や、やめろぉ・・・・!」

再び胸に手をやると、先端が緊張のあまり完全に凝り固まっている事に気がつき、凝りはほぐしてあげるべきだと親指と人差し指で挟み、くりくりと緩く転がす。
アキラの興奮は増す一方で、その息遣いは荒い。口付けをやめ、首筋に舌を這わせるとぴちゃぴちゃと音を立てながらスタッドの透き通りそうな白い肌を味わう。
スタッドは、魔界でも己が研鑽を積んだ魔法を付け狙われる事が多く、それを目当てに甘言を浴びることは多かった。当然近づくものは全てドラゴンの腹の中なわけだが。
人間界に来たのは、この度どこぞの大聖が自分の魔法をつけ狙い、終いには大将クラスを派遣される、と言う情報を得た為だ。
自慢のドラゴン達も大将となると相手が悪い。そうしてここまで辿り着いたと言う始末だったが

「はー・・・・♡はー・・・・♡ぴちゃ・・・♡おいし・・・・♡しゅきぃ・・・♡」
「んっ・・・・くっ・・・・!」

この様に、100%自分に対して欲情している者を見た事がなかった。度を越した変態の疑惑を感じずにはいられないが。
それも、イエロードラゴンを瞬殺するほどの猛者。彼女の話を鵜呑みにするならば、彼女は自身が課せられた任務すら放って、こうして自分を求めている事になる。
これが全く理解不能で、考えれば考えるほど混乱していく。言葉の信憑性は・・・?あれ、こいつ女だよな・・・?お嫁さん・・・?コイツはどれだけ強い・・・?役に立つ・・・?
もはや言語化が上手くいかないレベルまで思考が停止した頃、自身の魔力が溜まっている事に気がつき、一旦ドラゴンと戦わせて、それから考えよう。と言う、素晴らしい答えが出た。

得意の風魔法でアキラを吹っ飛ばす。突然の出来事に慌て、流れに乗る様にして強風に飛ばされたアキラは、スタッドとかなりの距離が開いた。
魔法陣が光る。地響きを伴い現れたるは緑色の大きなドラゴン。アキラの表情から余裕が消えた。てっきりイエロードラゴンが3体になるなどの類を想像していただけに、中級ドラゴンの出現に愕然とする。
巨大な尾が、アキラめがけて飛ぶ様にしなる。鞭の様に打ち付けられる尾による攻撃は、その実尾の先端が一番危険だ。鞭を打った時に聞こえる謎の破裂音。あれは音速を超えたことを意味する。
だからと言って先端以外が安全かといえば、全くそうじゃないから強力な攻撃となりうるわけだが、尾による攻撃、これはアキラが一番嫌いな攻撃だ。
氷魔法を拳に乗せ、思い切り向かってくる尾をぶん殴ると、氷魔法が弾ける音と共に尾が跳ね返される。トゲ付きの尾ならともかく、なんの武装もしていない体の一部を敵に差し出す様な真似、ナメられているとしか思えない。
少しは怯むと思っていたが、ドラゴンはアキラを見据えている。ドラゴンの懐に駆け出すアキラを迎撃するべく鉤爪が差し向けられるも難なく躱し、ドラゴンの腹部へ先ほど尾に当てた氷の拳を撃ち放った。
その威力たるや凄まじく、流石のドラゴンも怯んでしまい、流れる様に放たれた強力な氷魔法をまともに受け、その場に倒れこんだ。

「・・・・・!?」
「あれ・・・仕舞わないの?」
「あ、ちょ、ちょっと待て!!」

ドラゴンの姿が消える。召喚魔法とは、一体どこから呼び出しているのかほとほと謎だが、無事勝利できた事に安堵すると共に、成長を実感した。
ふとスタッドの方へ視線を向けると、またもやいそいそと何かをやっている。あれは魔力を効率よく貯めるための踊りか何かなのだろうか。
スタスタと歩いて両腕を絡め取り、片腕で固定する。先ほどと全く同じ展開だ。
余りにも何を考えているのかわからないアキラの振る舞いに、思わずアキラの目を覗いたが、その眼差しにまるで全てを見透かしているかの様な気分にさせられ、慌てて目をそらした。
当然それはスタッドの思い過ごしであり、アキラは経験こそ豊富であるが、その恋愛事情はずさんなものである。

"人の気持ちがわからないヤツ"

アキラは幼少期からずっと、周りからそうやって言われ続けて来た。そんな大した話ではないが、結局のところ人を好きになると言う事がどう言うことか未だにわからないし、特にそれは情欲と何が違うのかわからない。
ただ極端に性欲が強く、そして愛に飢えていて、性別の概念がなかった。男に抱かれ男を抱き、女に抱かれ女を抱く日々を過ごした時期もあったが、いずれもアキラの心の隙間を埋めることはなかった。
愛の与え方を知らないのに愛を求めるこの矛盾は、男であれ女であれ受け入れられず上手くいかない。愛を貰える事が当然だと思ったことはなかったが、とはいえ飢える。
いつしか自分より弱い人間から下手に抱かれる事へ苛立ちを覚え、めっきり抱く側に回ってからそういえば女しか相手にしていないが、どんなに尽くしてもアキラの求める愛は手に入らなかった。
愛するとはなんなのか。愛されるとはなんなのか。全く答えが出ないまま月日は流れ今日に至るが、ところで最近妹に彼女ができた。それが羨ましい限りのラブラブ加減だったので、秘訣を聞いてみたところ

「えっとねー、相手にずっと"好き"って言い続ける事、かなぁ・・・」

好意と性欲の違いは不明だし、相変わらず愛についてもわからないが、他者に「好き」と言い続けるなんて、考えたこともなかった。
言わなくても伝わると思っていたわけではないが、あえて言う必要もないだろう、程度の認識だ。
しかし実際に妹は自分の欲しかったものを手に入れている様に見える。
こうしてアキラは、次に自分好みの人間が現れたら、「延々と好きと言い続ける作戦」の実行を決意していたのだった。

「・・・なんの真似だ?」
「えへへー・・・。えっち開始3秒前の恋人の真似。」
「ふあっ・・・!?」
「ん・・・ちゅ・・・・好き・・・スタッドちゃんしゅきぃ・・・♡」

首筋に舌を這わせ、顎の付け根から耳の方へとなぞりながら、愛を囁く。こんな事に意味があるのかはわからないが、思いの外興奮するのは確かだ。気分が盛り上がる。




スタッドの心境は相変わらず複雑で混乱している。
コイツは強い。それは間違いない。次のドラゴンより強いことはないだろうが、それにしても、人間界では上位に入るはずだ。絶対に役に立つ。とはいえどうすればいいのかわからず

「ん・・・・ぴちゃ・・・・♡」
「・・・・・・。」

自分に危害を加えてくる気配はないので、一旦何も考えずに身を任せた方がいいのではないか、と思い始めていた。ぐりぐりと衣服の上から緩めに乳首を転がされる感触は、そう考えればわざわざ不快に感じることもない。肌を直に這い回る濡れた肉も、耳たぶを甘噛みする唇も、全部好意の元行われている求愛活動の一つなんだろう。何故好意を持たれているのかは疑問しかないが、昔からこういう戦闘バカは思考回路が単純にできていると相場は決まっている。大方見た目が好みとかその程度なのだろう。スタッドは、アキラの蛮行に対し、目を瞑ってやり過ごすことに決めた。

「はー・・・♡スタッドちゃん、一つ、聞いてもいいかな?」
「・・・なんだ?」
「もう一回、唇にキスしてもいい?」
「・・・えぇ!?」

閉じていた瞼が勢いよく開き、まとまりつつあった思考が弾け一気にパニックに陥る。
これは危害のうちに入るのかどうか、いやさっき既に奪われているし良いのではないか、口付けを良しとする意味とは・・・?アキラの指遣いが余計に思考を鈍らせる。こうして返答を考えている間も胸をまさぐる指は止まらず、ふにゅふにゅと揉んだり、乳首をつまんだりとスタッドの脳内の様に忙しい。

「だめだ・・・と言ったら?」

そうしてひねり出された答えがこれである。これではほぼ直接良いと言っている様なものだ。
言葉を発した後にその事実に気がつき、頭の中が「あわわわわわ・・・・」一色に染まったスタッドだったが、これは意外にもアキラの意表をつく形になる。

「・・・え、ダメ・・・かな・・・。」

あまりにも想定外な反応に、スタッドは完全に沈黙したが、それはアキラにとってもありがたい反応であった。実際、アキラはどう答えられても唇を重ねるつもりだった。こんなものは遊びの一つで、どう転んでも自分が欲しいものなど手に入りはしない。しかしまぁ折角目の前に可愛い女の子がいるのだから、悪戯しないと損だ。その程度の認識だったのだ。

想定していた答えは2つ。「勝手にしろ」か「ダメに決まってるだろう」のどちらかに類するもの、だ。これはどっちにしろ"アキラを拒絶している"反応だ。それが返ってくると思っていたし、当然の振る舞いだ。この2つの返答予想には自信があった。しかし実際に返ってきた返答ときたら、これではまるでアキラを拒絶しない可能性があるみたいではないか。

"人の心がわからない"と言われてきたアキラであったが、その実誰よりも人の感情に敏感で、だからこそ他人に快楽を与えることも出来るし、恐怖にものを言わせることも出来る。胸をさするその手のひらから感じる筋肉の緊張具合から、胸を揉まれてどう思っているか、腕を拘束されて恐怖を抱いているか、乳首を転がされて感じてないか・・・。ほぼ自動的にそう言った観察がアキラの中では行われていて、その結果を実際に指に反映している次第だった。が・・・。

「う・・・いや・・・その・・・」

アキラの指が止まる。全神経が、スタッドの口元と聴覚に集中している。
自身の思考も当然まとまっていない。こんな出来事は初めてだ。何故今スタッドが返答に悩んでいるのかわからない。いや、検討はついている。「キスされる事が嫌じゃない」可能性。しかしながら、こんな都合の良い可能性を考慮して良いものかが踏み切れない。いずれにせよ、間も無くその答えは出るだろう。

「・・・したい、のか?」
「したい。」
「・・・・・・・・・・・・・・・ん。」

必要以上に閉じられた瞼と、つん、と差し出された小さな唇。アキラは、目の前の光景に我が目を疑い思考が麻痺しかける。スタッドのその様子から、彼女はこの様な行為をやり慣れていない事がわかる。そんなことは予め予想できていたことだ。そしてアキラは、そう言った不慣れな人間と口付けや性行為をいくらでもやってきたし、それはどれも好評だった。自信がある。造作もない。

なのに、いざ今差し出された据え膳に対し、何をどうして良いか全くわからなくなってしまった。
いや、何を迷う必要がある。唇を重ねるだけだ。あとはどうとでもなる。そうだ、今までもどうとでもしてきたのだから。最早口付けとはどの様な行為であったかも忘却してしまったアキラは、大混乱の渦の中、スタッドの唇に自分の唇を重ねた。

「んっ・・・・・!」


唇が触れた瞬間、スタッドの体に強張りが走る。それは唇を通してアキラに伝えられるが、次の瞬間どうしたら良いのかの演算に忙しく処理されない。今まで感じたことのない緊張感を感じながら、アキラはその先何をして良いか、全くわからなくなっていた。
しかし身体はその先の展開を覚えていたようで、スタッドの口内へと侵入するべくアキラは舌を伸ばす。

当然ながらスタッドの脳内も語るに及ばない。
二回目ともなれば少しは余裕ができると無意識に高をくくっていたが、その余裕分は柔らかな唇への戸惑いに全て埋め尽くされ、終いにはその唇を割り侵入してくる生々しい濡れた肉が自分の粘膜に接触する感触に驚き声を上げる。

「んんっ・・・!?」

突如あげられた悲鳴でアキラはようやく我に返りとっさに唇を離しスタッドの顔を覗くと、黄色い潤んだ瞳と見つめ合う。その瞳が何を訴えているのか全く検討もつかないアキラだったが、戸惑っている様に見えるその表情に思わず謝罪の言葉を口にする。するとスタッドも何を感じたのか"わ、私の方こそすまん・・・感触が慣れなくてな・・・?"などと、何故自分が謝っているのかわからない状態で今の気持ちをそのまま呟いた。

アキラは頭を振る。こんな感覚は初めてだ。なんなら、先ほどから実行していた軽率な行為や言動が恥ずかしくなってくる。最早、自分がいつもの自分ではない事は認めなければならない。その上で今するべき事とは。
真剣に真摯な態度を演じる事はできるが演じてはダメ。素の自分で、かつ真面目に行動しなければならない。少なくとも、キスくらいはまともにできるはずだ。相手に、気持ちがいいと思ってもらえる様な、そんな口付けを。

「も、もう一回・・・!もう一回だけ、キスさせて・・・?」

真っ赤に頬を染めたアキラから送られる眼差しは、その崩れた表情とは裏腹に真剣そものもだった。実のところ、少し前に魔力は溜まり終わっている。風魔法で再び吹き飛ばし、自慢のドラゴンを召喚する。イメージトレーニングもちぐはぐながらに完了している。アキラの問いかけに、応じる必要性は限りなくゼロのはずなのに・・・

「・・・・・・・・・・ん。」

スタッドは自分が今何故瞼を閉じ、唇を差し出しているのかわかっていない。しかし、不思議と心は澄み渡り、自身の心臓の鼓動を感じ取れる。そっと頬に手が添えられたかと思った瞬間、唇に柔らかい肉の感触が広がる。今度は互いにその潤んだ柔肉を感じることができた。ぬるりと唇を割りアキラの舌が滑り込み、少しスタッドの身体に緊張が走るが、拘束していた両腕を解放し強めに抱きしめると、次第に彼女から緊張が解けていく。

「ん・・・・はむ・・・・。」

互いに淫らな吐息が溢れる。二人は、目の前にある正体不明のなにかを夢中で貪っている様だ。
身を任せる様にアキラの舌へと自身の舌を絡めるスタッドは、アキラからの抱擁に応える様にして解放された両腕を腰に回し、同じく強めに抱き返した。
ちゅ・・・くちゅ・・・・。永遠とも思える静寂な口付けが時を刻む。互いの舌に絡む唾液がどちらのものかわからなくなった頃、自然と互いに身を離した。

「・・・・・・・。」
「次が、最後だ。最強のドラゴンが、お前を殺す。逃げるなら、今のうちだぞ。」

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

「・・・・倒せたら、スタッドちゃんの心も貰えるかな?」
「・・・・好きなだけ持っていけ」

魔法陣を超える様にして後ろに飛び退き、間合いを取る。轟音を伴い魔法陣から姿を表すは蒼いドラゴン。冗談がきつい。これは中将クラスの得物である。
ダンジョン内で見かけ、倒した経験がある故に身体が震える。目の前に立ちはだかるそれは、その経験よりも大きく逞しい。

だが、負けられない。ドラゴンの鋭く殺気の篭った視線を正面から睨み返しつつ、雷魔法の準備を整え、ベルトに仕込んだ魔力回復薬の調子を手で探る。戦う相手に対し、死にたくないと思った事は数知れないが、"勝ちたい"と思った事はこれが初めてだ。

・・・・いざ。





辛勝。五体満足で居られるという事はどれだけ幸せな事なのだろうと改めて実感する。アキラは、蒼きドラゴンに勝利した。
魔力回復薬は全て使い切っている。放てる魔法と拳の限りを尽くし、観ていたスタッドにはどちらが敗北してもおかしくない戦闘光景に映っていたが、単純に回復アイテムを使用できた事がアキラの勝因だった。
熾烈を極めた闘争を前に、スタッドは回復魔法やアイテムをドラゴンに使用する事はできず、ただ見守ることしかできなかったのだ。
闘争の意思を失くして倒れたドラゴンの姿が消え、ようやく戦いに勝利した事を確信し、アキラはその場で深く息を吸い込み、大きく吐き出す。呼吸は相変わらず荒いままであるが、身体から緊張を解き、震える身体を落ち着かせる。

「まさか、本当に倒すとはな。・・・大したヤツだ。」

アキラの耳に入ったかどうか定かではないが、スタッドはゆっくりと歩を進め、アキラに近づく。膝に手をつき、床を見つめながら肩を使って大きく呼吸を繰り返すアキラは、スタッドが目の前に到達するまでその気配に気がつかなかった。

「・・・!?わわっ、な、なに・・・んむっ!?」
「ん・・・・。」

緊張の糸を完全に切ってしまっていたアキラはスタッドの不意打ちに反応できず、なすがままに唇を奪われる。驚きのあまり呼吸が止まるが、重ねられた唇は直ぐに解放され、呆然と自分より少し小さいスタッドを見下ろす。
じっ・・・とアキラを見つめるその眼差しに殺意はおろか敵意も感じられず只管に戸惑っていると、スタッドの口から「・・・賞品」と言葉が発せられ、益々混乱は進んだ。

「約束通り、私はお前のものだ。例えこの場で殺されたとしても、文句はない。」
「た、確かにそういう話だったけど・・・別に無理しなくていいんだよ?いずれにしても、ガーデンには私から上手く説明するつもりだし・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・な、なに・・・?」
「お前、よく人の心がわからないヤツって言われないか?」
「え、なんでわかるの・・・おっふ!?」

アキラの胸元に飛び込み、腕を背に回して強く抱きしめる。このアホは、言語による意思疎通に時間がかかりそうだから。
びくっ、と抱きしめている身体に強張りが走る。大きな怪我は回復薬で補われている様だが、全身を酷く打ちのめされたアキラの身体はその実服の下は酷い打撲と内出血で修羅場と化しており、細腕に抱きしめられただけで信じられない程の激痛が身体中を駆け巡る。それを感じたスタッドは、更に少し腕に力を込めた。自分の思いを、感じてもらうために。痛みに耐えているのか身体を強張らせたまま抵抗しない彼女から、血と汗が混在した甘い匂いを感じる胸が高鳴る。こんな気持ち、初めてだ。

「・・・なぁ、教えてくれ。この気持ちは、どうしたらおさまるんだ・・・?」
「え、えと、その・・・・知りません・・・。」
「なんでだよ。お前、そういう経験は豊富そうじゃないか。口付けだって・・・」
「・・・妬いてる?」
「ふん、私は初めてだったというのに。」
「・・・その分、スタッドを気持ちよく出来るよ。」
「そういうとこだぞ、このすけべ。」

たはは・・・と、表情を緩めながら、アキラは弱々しくもスタッドを抱きかえし、頬あたりにある銀色の髪に頬ずりした。女の子特有の甘い香りが鼻腔をくすぐる。これだけでも勝利の褒美としては十分だというのに。痛いほど強く力が込められた彼女の腕からは、その決意と気持ちを感じ取れる。身体に走る痛みが、細身でありながらも所々女の子の柔らかさを持ったスタッドの感触と相成って心地が良い。

「ふぇ・・・!?ちょ、アキラ・・・・やっ・・・・!」

瀕死の状態のせいかムラムラしてしまったアキラの身体は、反射的にスタッドの慎ましい胸へと手を伸ばし、ふわりと包んでは緩く揉み始めた。掌に広がる柔らかい乳房の感触で我に返ったアキラは、「ご、ごめん・・・!」と謝るも胸に添えた手を離す気配がない。

「んっ・・・そ、そんなにしたい・・・のか?」
「・・・嫌ならしないけど・・・代わりに、他の人としてきても良い?」
「ダメッ!!・・・・・そもそも、嫌だなんて言ってないじゃないか・・・」
「・・・私、そろそろ限界なんだけど・・・」
「・・・だ、だから、嫌だなんて言ってないぞ」
「・・・・・・」
「きゃっ・・・!?」

何かが切れたかの様に身体中から力が抜けたアキラはそのままスタッドにもたれ込み、不意だったこともあり非力なスタッドは支えきれずに押し倒された。
アキラの状態に気づかなかったスタッドは"あわわわわわわ"と思考が停止しかけたが、床に倒れこんでからアキラが動かない様子を見て自分の早合点に気がついた。
限界とは、体力の限界だったのだ。考えてみればわかることだっただけに、スタッドは自分の愚かさを呪いつつもすぐさま転移魔法でベッドへと移し、敷き布団の上へと寝かせる。まだ布団は掛けず、念のため外傷を確認する。
浅い呼吸を早めに繰り返しているが、命に別条はないはずだ。先ほどの抱擁時に回復魔法を施し、身体の損傷は殆ど治癒したのだから。改めて全体を確認し、治療漏れが無い事を確認する。体力までは回復させられない。今は、ゆっくり寝るのが一番の様だ。
ホッとする様な、残念な様な・・・。とはいえ彼女のことだ、明日にでも求めてくるだろう。心の準備をする時間ができた事に安堵しつつ、その時の事をイメージしてはブンブンと頭を振りながら布団を掛けようとしたその時、アキラの股間が不審に膨らんでいる事に気がついた。・・・・は?
下着ごと下半身の衣服をずり下げると、そこには立派な肉棒がそそり立ち、力強く脈を打っている。

「お・・・お前、男だったのか・・・!?」
「え・・・?あ、いや、これ魔法・・・」
「なに無駄な魔力使ってんだ!?バカじゃないのかお前!?」
「いや〜、ムラムラした時にいつでも準備万端になるように、オート化してまして」
「バカだった・・・!!」

気にしないで、と弱々しく笑う彼女だが下半身のそれは明らかに自己を主張している。気にするなという方が無茶だ。噂には聞いていた男性器を、擬似的なものとはいえこんな形で目にするとは。なんと禍々しい形状をしているのだろうか。それに、想像以上というわけではないが、実際を目の当たりにするとやはり大きく感じ、余計な想像が助長され下腹部が熱くなる。

「ひゃっ!?こ、こら・・・!いたずらに触っちゃダメだよ!」
「な、なんでだよ・・・。いいだろ少しぐらい」
「・・・濡れてるか否か関係なしにぶち込まれたいの?」
「ヒエッ・・・」
「我慢出来なくなっちゃうから、そっとしておいて・・・」
「・・・じゃあ、私がするのは・・・?」
「は・・・・?きゃっ・・・!?」

いきり立つ肉棒に顔を近づけ小さい舌を唇から出し、ぷっくり膨れた亀頭の裏側へと這わせると、びくっ、と、肉棒は強く脈を打ち、鼻にかかった高く可愛い声がアキラから発せられる。





手を添え、肉棒が暴れても舌から離れない様に固定し再び舌を這わせる。肉棒の裏側を、竿の根元から先端までゆっくりとなぞると、びくっ、びくっ、とやや大げさにアキラが反応する。痛くない様に唾液をたっぷり舌に乗せ、もう一度同じ様に舐め上げると、肉棒に力が込められ亀頭がぷっくりと充血し膨張する。その反応は、見ているだけで気持ちが良さそうだが、この先は一体どうすれば良いのだろうか。

たどたどしく肉棒を舐める舌と添えられているだけの手にもどかしさを感じながらも、懸命に奉仕してくれるスタッドに対しアキラは何も言えずにいた。普段なら相手にどうしてほしい、こうしたら気持ちが良いなど教えたり伝えたりを気軽にしていたが、スタッドからの気持ちが否応がなしに伝わり、その気持ちだけで胸がいっぱいになっていた。ひくひくと肉棒を痙攣させ、気持ちが良いことを伝えることが精一杯である。

「・・・・あんまり気持ちよくないだろ。」
「え・・・!?そ、そんなこと・・・」
「ちゃんと教えてくれよ。こんなこと、した事ないんだから。・・・でも、するからには、アキラに気持ちよくなってほしい。」
「・・・・うん。」

アキラからのレクチャーが始まる。とは言えアドバイスを2、3個ほど、そして最後に「クリ○リスを大きくしただけだから」と締めくくられた。その最後の一言で得心いった様な表情を見せると、スタッドは竿の部分を緩く握り上下に扱き始めた。これからの動きに期待する様に亀頭が膨れ上がり感度が高まる。そんな肉棒の先端を愛おしむ様に裏筋へと舌の腹があてがわれ、丁寧に舐められた。アキラから熱い吐息が漏れる。味のしない肉の棒に舌を這わせる感触はなんとも形容しがたいが、嫌ではない。スタッドは唇で肉棒の先端にある割れ目にキスすると、くぷ・・・・と肉棒を咥えた。

スタッドの口内へと沈められた亀頭は、窄まされ密着する頰の内側の肉や舌、上顎といった粘膜のあたたかさに包まれ上機嫌だ。程なくしてゆっくりとスタッドの頭が上下に動き、それに合わせて竿がシゴかれる。くぷ・・・くぷ・・・と水音を立てながら施される奉仕は極楽の一言で、急に動きが滑らかになったスタッドの飲み込みの早さに感心しつつ、小刻みに肉棒は痙攣し既に泣きそうである。
ここでアキラに悪戯心が芽生える。黙って口の中に出したらどんな反応をするだろうか。しかし今回に関してその悪魔は天使に秒殺された。まず、あれは不味い。そしてそんなモノをいきなり口の中に出して嫌われたら一生悔やめる。ここは無難に手でイかせてもらおう。それだけでも今は幸せで、本当に気持ちがいいから。

「すたっどぉ・・・もう、イキそう・・・・あうっ・・・んっ・・・」
「・・・そう言えばこれ、出る、のか・・・・?」
「うん。・・・だから、このまま手でイかせて・・・?」
「・・・・くぷ・・・くぷ・・・・。」
「あっ・・・!?だ、だめだよスタッド・・・!口の中に、でちゃう・・・・あっ!!」
「んんっ・・・!?」

びゅく・・・!びゅく・・・!

「で・・・出ちゃっ・・・た・・・あうっ・・・!!」

激しく脈を打ち始める肉棒の先端から、じわぁ・・・と生温かい粘液が口の中に広がっていく。噂に聞く射精を、まさかこんな形で体感することになるとは思ってもみなかったが、射精しているということはアキラが気持ち良さの上で絶頂を迎えたという事を意味する。ならばと、突然の脈動に驚き止まってしまっていた口と手の動きを再開する。肉棒が吐き出した粘液が舌の上で転がり、裏筋の引っ掛かりによく絡む。アキラは射精中に与えられる過度な快感に思わず声をあげて喘いだ。スタッドの奉仕は脈動が終わるまで続けられ、最後の最後まで亀頭を中心に責め抜かれたアキラは射精が終わると同時に脱力し、その様子をみてスタッドは血の気の引いた肉棒から唇を離し・・・

「うぇ・・・。」

と、口の中から白濁色の液体を吐き出した。
噂では、愛しい者の精液は飲む文化が存在する事を知っていたスタッドは、当然の様にそれを飲み込もうと思っていたが、ふとどんな味なのかと思い口の中に空気を含ませた瞬間、その異様な生臭さに襲われ思わず吐き出してしまったのだ。

「す、すまん・・・。本当は飲んであげたかったんだが、その・・・」
「あはは・・・それ、不味いよねぇ・・・」
「・・・・むむ。」
「・・・・・?どうしたの?」
「ということは、アキラは誰かのを飲んだことがある、と言う事だよな?」
「・・・妬いてる?」
「・・・少しだけな。」

そして、吐き出してしまった事を悔やんだ。シーツに溜まった精液を見つめる。過去についてとやかく言うつもりはないが、過去に負けると言うのはあまりにも悔しい。
ふと、腕を引っ張られアキラに覆いかぶさる様に倒れこむと、腰と後頭部に腕が周り強く抱きしめられる。突然の展開に戸惑っていると、頭をゆっくりと撫でられ段々と気持ちが落ち着いた。

「その分、スタッドを気持ちよく出来るよ。今度、奉仕するから許してよ。」
「・・・お前、ホント性欲の塊だよな。」
「あはは・・・やっぱり嫌?」
「そんな事言ってないだろ?・・・さてはお前、その性欲結構ドン引きされてるな?」
「・・・うん。」
「言っておくけど、私はお前に求められるのは嫌いじゃないからな。・・・その、え、えっちしたいなら、ちゃんと言えよ。」
「・・・ありがと。」
「もう、いいからお前、いい加減寝ろよな。私も今日は疲れたし・・・」
「え?このベッド一人用じゃん・・・!スタッドどこで寝るの・・・」
「スリプル!!」

余計な心配をして眠ろうとしないアキラに魔法をかけ、強○的に眠らせる。やれやれ、私が魔法使いという事を忘れているのだろうか。
ベッドに魔法をかけ、ダブルサイズと入れ替える。こんな事、造作もない事だ。
念のため見張り用にブルードラゴンを召喚し、アキラとの傷を癒す。流石にもう魔力は空っぽだ。
布団をアキラにもかかる様にかぶり、隣で寝息を立てる赤い髪をした少女を見つめる。今までずっと一人だった少女は、その温もりをもっと感じていたいと思い、既に夢の中にいるであろう彼女の腕に自分の腕を絡ませ抱きしめる。指を恋人同士が繋ぐ様に絡ませ強く握ると、しっかりと握り返され、心が満たされていく。

「・・・・えへへ・・・。」

今日は、良い夢が見られそうだ


G・ガーデンを旅立って約三日後。アキラは無事にガーデンに戻り、学園長室の扉の前に到着した。これでもガーデンでは指折りの戦士なのだ、それなりにニュースになっているかと思ったが、ガーデン入り口の見張り番と顔をあわせると"お疲れ様です!"と普段通りの挨拶が返ってきて肩透かしを食らったものだった。ガーデン内ですれ違う人々の反応もいつも通り。英雄の凱旋くらいの反応を期待していたのに。
まだヒジリとは会っていない。流石にヒジリには伝えてあると思うが、もしそうだとしたらさぞ驚くだろう。アレで中々姉思いの妹だから。
扉の近くにある訪問者用のボタンを押す。学園長はこの部屋に住んでいると言ってほぼ差し支えがないので、ここにインターホンが付いている。当然、訪問者が何者か、という映像も送られている。幸い、学園長はご在宅の様で手元のランプが光る。入って良しの合図だ。特に話し声なども聞こえないので、恐らく中には学園長が一人でいるだろうから、報告には都合がいい。

「おかえりなさい、アキラ。任務はどうだった?」

アキラの顔を見るなり、開口一番で任務の具合を聞かれ逆に驚いてしまった。てっきり自分の姿を見て驚く学園長を予想していたのに、彼女は到って落ち着いている。開いた扉を閉め、黒革が張られた高級なソファーに深々と腰を掛けつつ、スタッドから任されていた手紙を学園長に見える様に指で挟み掲げる。

「討伐任務は失敗とさせて頂きましたけど、魔女の無力化には成功しましたよ。これ、魔女からッス。」

机の引き出しをゴソゴソといじった後、学園長の腰が上がる。ただ椅子から立ち上がりソファーに向かって歩いてくるだけだというのに、アキラは彼女の気品溢れる立ち振る舞いに思わず見惚れる。結局スタッドとの交わりは、任務についてのごちゃつきをまとめてからと自分で決め、翌日の早朝にガーデンに向かって出発し一泊の野宿の末が今だ。今にも学園長を押し倒したい衝動に駆られるが、グッと抑える。スタッドは、他の人間と交わるなと言っていた。折角手に入れた愛を、手放す訳にはいかない。

「ご苦労様。拝見するわ。・・・・・・なるほど。」
「それ、中身は見てないんですけど、なんて書いてあったんです?」
「魔女への干渉の禁止を条件に、森の約半分の面積の解放する。これ以上の交渉の余地は無い。ですって。まさか向こうが折れてくれるとはね。どんな魔法を使ったのかしら?」
「いや〜、あはははは・・・」
「・・・魔女を口説き落とすなんて、流石ね?」
「う、なんでわかったんですか・・・?」
「手紙の最後に"アキラに手を出したらブルードラゴンの大群を寄越す"って書いてあるわ。随分と慕われている様ね。」
「まいったなぁ・・・・」

後から聞いた話だったが、スタッドはあの日、午前中に大きな魔法の実験を行い魔力の大半を失っていたらしい。自分の運の良さは中々のものだと冷や汗をかいたものだ。
後日談といえば、スタッド邸を出発する際、ダンジョンが消えていた。ダンジョン内には体感で数週間は滞在していたと思っていたが、スタッドが言うには"転移魔法で追い出した後、割と間も無く侵入してきた"らしい。あまりに奇妙な話であったが、ガーデンのみんなの反応からしても、やはり3日程度しか経っていないのであろう。まぁ、もう二度と潜りたくは無いが。

「当然こんな好条件、即承諾案件よ。・・・ただしアキラ。貴女にはもう少し働いてもらおうかしら。」
「え、これ以上一体何を?」
「一般大衆はこの条件、納得しないでしょう?だから、貴女がガーデンに我儘を突き通す、という形をとる必要があるわ。・・・魔女スタッドとこれ以上争いたく無いのであればね。」
「・・・なるほど。私が一般大衆を黙らせればいい・・・という事ですね?とはいえ、そんなのどうやって・・・」
「ルルと戦いなさい。」
「・・・!?」
「告知をして人を集める必要があるから・・・そうね、1週間後。一般大衆の眼前でガーデンNo1を叩きのめす・・・これが出来れば、誰ももう文句なんて言わないでしょう?ふふふ・・・」

天才と称される魔法使いルル。学園長の右腕。G、及びJガーデンが所有する魔法全てを使いこなす、一つ年下のチート少女。彼女ならブルードラゴンを余力を残して打ち倒すだろう。恐ろしいのは、こうしている今も彼女は成長し続けているという点だ。はっきりいって、今の自分でも戦いたく無い人間No1である。そんな異端児と戦うくらいなら、ガーデンを見限りスタッドと一緒に暮らした方が絶対に幸せだと確信する。

「・・・それ、断った場合・・・ヒジリはどうなります?」
「ふふふ、どうなると思うの?」

拒否権などない。今話題の森に住む魔女について、ガーデンのNo1とNo5が決闘する。これは中々経済が周りそうなものだ。あの堅物が八百長などしてくれる見込みは0に等しい。なるほど、学園長はこの展開も視野に入れていたのか。うそだろ。

「安心なさい。貴女が敗北しても、ヒジリの安全は保証するわ。そして貴女は、魔女と暮らしなさい。貴女から魔女がドラゴンを従えているという情報を、その時に得たことにすればあとはどうとでも出来るから。」
「はぁ〜あ・・・わかりましたよ、やればいいんでしょやれば!私が殺されそうになったら、ちゃんと止めてくださいよ!」
「あらあら、随分と弱気ね?私の見立てだと、結構良い線行くと思うのだけれど・・・」

ソファーに腰をかけたまま膝に肘をつき、頬杖をついたまま不敵な笑みを浮かべこちらを凝視している。どうやらアキラが強くなっているのは見透かされている様だ。この人は本当に恐ろしい。学園長の視線に耐えるべく心臓の鼓動が早まるのを感じていると、彼女はソファーから立ち上がり、対面からすぐ隣へとわざわざ机を回って移って来た。座っているソファーが彼女の体重で沈み、少し体が学園長へと傾く。姿勢を正そうと体に力を込めた瞬間、彼女の腕が反対の肩へと伸び抱き寄せられた。

「なっ・・・!?」
「まだ話は終わってないわ。これ、今回の報酬よ。」

目の前の机に置かれた一枚のカード。それは見るからに頑丈そうで、恐らく高級素材"竜の鱗"を加工して作られたものだとわかった。そこには"学園長テスタの名において、所属No10アキラからの性行為を断ることを禁ずる"と書かれている。アキラが驚いたのは、本当にフリーセックス券が発行された事ではない。既に作られていたという事実の方だ。硬い竜の鱗は加工が難しく、熟練の鍛冶屋でないとこんなものは作れない。時間もかかるだろう。これは、少なくとも自分に討伐の案件を任せた直後、あるいはその前から制作を依頼していたという事だ。彼女は、自分に死ねと言いつつ、ちゃっかり生きて帰って来た時の事も想定していたのだ。
これを信頼の証と喜んで良いのかは疑念の余地があるが、こういう所が学園長テスタが慕われる所以である。恐れられる所以とも言えるが。
と言っても、非常に残念ながらこれの出番はないかも知れない。スタッドに怒られる。そう思いながらも魅惑のカードを素早く懐にしまうあたりがアキラらしいところではある。

「後で返せ、は無しですよ。」
「私に二言はないわ。それより・・・」
「・・・・!?」

学園長の、肩を抱く手に力が入る。逃げられない。そう直感した直後、アキラの甲冑と服の間にもう片方の手が滑り込み、ふくよかに実った果実が揉みしだかれアキラの身体がびくっ、と跳ねる。

「ちょ、学園長・・・!?」
「テスタでいいわ。それ、誰に使うつもりだったのかしら・・・?」
「んっ・・・・そ、それは・・・・あっ・・・!!」

胸に伸びる腕を離そうと、アキラは両手を使って抵抗するがビクともしない。テスタの放つ色香に惑わされ力が入りづらくなっているのもあるが、学園長テスタはやはり化け物だ。
その剛力とは裏腹に、ふわふわと優しく乳房を揉みほぐす。脇の下方面にある性感帯をしっかりと刺激し、アキラを感じさせることに余念がない。ろくな抵抗ができないアキラの様子を確認したテスタはアキラを抱え込み持ち上げ、自身の膝の上へと乗せて両手を脇の下から胸へと伸ばした。後ろから首筋へと彼女の吐息が吹きかけられる。

「テスタさ・・・んんっ!はー・・・!や、ダメ、です・・・!」
「ふふ・・・本当に・・・?」
「に、匂い、着いちゃいます、から・・・!」
「そうね。舐めたりはしない様に気をつけるわ。」
「な、なんで急に・・・あんっ・・・!」
「言う程急かしら・・・?よく働いてる部下には、ちゃんと褒美を与えるのが私の主義よ。」

テスタの片手が、アキラの下半身の下着内へと滑り込む。ふかふかとした茂みの奥に伸びる割れ目へと指が伸び、先端が濡れる。既に花弁は蜜を吐き出し始めており、ぬるぬるとした感触がテスタの中指へと絡みついた。




「んっ・・・あっ・・・は・・・!」
「粘膜同士の接触じゃないし・・・これは浮気には入らない。そうでしょう・・・?」

テスタの強引で繊細な指は蜜で濡れ、アキラの陰核を丁寧にねぶる。びくっ、びくっ、と身体を反応させてしまうアキラは、初めて自分の身体の開発具合を呪った。両足はテスタの足を絡められ、M字に開いたまま固定されていて閉じられない。テスタの指に感じてしまい、胸の先端は凝りに凝っていて胸を揉みしだく指の格好の的だった。
今まで惚れた腫れたの浮気沙汰は全て押し並べて適当に見ていたアキラは、浮気の境界線など全くわからない。スタッドに嫌われることだけは避けたいところだが、これは逃げられない。

「はー・・・!はー・・・!んくっ・・・!!」
「我慢しても無駄なのはわかってるくせに・・・ふふ・・・。」
「う、うぅ・・・・うああっ・・・・!!」

びくんっ・・・!びくんっ・・・!

アキラの身体が押し殺した様に小さく痙攣し始める。テスタの指遣いに、必死の抵抗虚しく絶頂へと導かれてしまった。絶頂を迎えている間もテスタの指は止まらず、最後の最後までアキラに快楽の波を送り届ける。そんな過剰な快感に堕ちそうになるのを必死にこらえ、なんとか自我を保つ。痙攣が治った頃、アキラは肩を使って大きな深呼吸を繰り返した。

「はー・・・!はー・・・!あっ!!やっ・・・!」
「ねぇアキラ。貴女の中にゆび、挿れてもいいかしら・・・?」
「も、もう挿れてるじゃないですかっ・・・!あっ、ダメ、やっ、あっ、あっ、あーっ!!」

ぷしゃっ・・・!

アキラの割れ目へと沈んだ指は、迷うことなくお腹側の壁を執拗に擦りあげ、衣類をまとったまま潮を噴かせる。ぴゅっ、ぴゅっ、と、アキラは指の動きに合わせて腰を浮かせながら透明な体液を放出する。生温かい液体を手のひらに受け、一通り噴かせ終わったテスタは下着から手を引き抜き、指先に付着した体液を舐めとる。アキラは快楽を処理するために体力を消耗し、時折痙攣しながらもぐったりとテスタに寄りかかっている。

「あらあら、そんなに脱力しちゃって。私を誘っているの?」
「・・・!!だ、ダメですよ!えっちはダメです!!」
「ふふふ。残念だわ。まぁ、今日の所はこの位かしらね。」

パチンッ、と、立ち上がりざまにテスタが指を鳴らすと、一瞬でアキラの衣服やソファーが乾く。が、花弁は未だに蜜を分泌していて乾いた下着が直ぐに気持ち悪くなる。アキラはテスタを少し睨んだ。

「それじゃあ、貴女の部屋に案内するわ。ついてらっしゃい」
「私の部屋・・・?どういうことですか?」
「貴女はいわば反逆者も同然なのよ?当然、この1週間は独房で過ごしてもらうわ。ああ、一応訓練はできる特別な部屋よ?」
「なっ・・・!」

なるほど、逃がすつもりは更々ないということである。おそらくヒジリにも接触できないだろう。そこまで深刻な問題ではないが、とはいえ直ぐに帰るつもりがスタッドを1週間も連絡なしに待たせることになってしまった。そこでアキラはハッとする。独房ということは、つまり内部は筒抜けであることが予想される。これでは自慰行為もできないのではないか!?
テスタの方に視線を向けると、彼女はニコリと笑って

「ふふ・・・。さっき、イっておいて正解だったでしょう?なんなら、もう少ししておく?」

と、細長い右手の中指と薬指をクイクイッ、と折り曲げ、その様子を見たアキラはじゅん・・・と、下着がより大変なことになってしまい不満全開の表情を向ける。

さて、試合は1週間後。できることは限られている。作戦を練らなければならない。大したことをは考えられないし実行もできないが、寝て過ごすわけにもいかないだろう。アキラは、必ず勝利してスタッドと幸せに暮らすことを心に誓った。




「それでは、戦士の入場です!西の門から姿を表すのは我がガーデンが誇る天才魔法使い!!ルル!!」

湧き上がる歓声と鳴り響く黄色い声。来たるこの御前試合、ほぼ全ての客がこの魔法使いの戦いを見に来ていると言っていいだろう。いや、圧倒的な力で悪を打ちのめすヒーローショーか。遠路はるばるJガーデンからも数十名戦士が見にきているというものだから大したものである。綺麗に整えられた白い姫カットに中二病をまんま拗らせた様な振る舞い。つま先からつむじまで、本来なら"イタいヤツ"と鼻で笑われそうな人物像でも、彼女は求められ認められている。何故なら強いから。そして可愛い。控えめに言って抱きたい。あれ絶対処女だし。

「対して東の門から来たるは、魔女にほだされ学園に牙を剝く愚か者!アキラ!!」

打って変わったブーイングの嵐に流石のアキラも心が折れそうになるが、気持ちで負けていては絶対に勝てない。堂々とした振る舞いと持ち前の笑顔で闘技場へと入場する。闘技場内に余計なものを投げる者はいなかったが、時々聞こえる大きな声での罵倒は刺さる。想像以上の扱いに寧ろ腹が立ってくるが、特別席で構えるテスタを見ると微笑んでいたので、アキラはため息を吐きながら所定の位置へと着いた。

「"まいった"と発言する、または対戦相手を殺してしまった方が敗北です。それ以外は全てが許されます。これは実戦です。二人とも、よろしいですね?」

"これは実戦です"の一言で、会場はその熱気を保ったまま一気に静まり返る。皆、この戦いの場へと意識を集中し、あまつさえルルの邪魔にならないように観客同士が互いを牽制している。誰もがルルの勝利を疑わないが、ルルは他人から邪魔をされる

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