覇県を握れ いろいろな県で楽しめるように その1


47都道府県で戦う戦略SLG「覇県を握れ」
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人口、経済力、軍事力、工業力等を統計データから再現した結果、各県は数百倍単位で初期パラメーターに差があります。

しかし現代の都道府県がテーマなのでプレイヤーとしては、自分の住んでいる県で遊びたいのが人情というものです。

自分の県が何も出来ずに1ターンで滅ぼされて面白いとは思わないでしょう。


制作上最大の課題&こだわりは、統計データから再現されたリアルなパラメーターで、どうやってゲームとして成立させるかと言っても過言でありません。何回かに分けて、いろいろな都道府県で遊べるようなゲームデザイン上の工夫について書いていこうと思います。



■内政と成長

覇県を握れ……というより四国志シリーズもそうなのですが、毎ターンエリアを1つ選んで、経済力だとか工業力だとかを成長させる事ができます。

信長の野望やシヴィライゼーションのように、資金などを使って保有している全エリアのパラメーターを上げるというのも考えた事があるのですが、採用しませんでした。

その形式だと、元から強い県が豊富な資金を突っ込んで加速度的に強くなってしまうからです。ただでさえ初期パラメーターの差が大きいのに、成長率まで強い県を優遇すると、弱い県が挽回しようがなくなってしまいます。

そのため覇県を握れでは、パラメーターを無償で1つ上げる。ただし1ターンに1エリアだけを基本にしています。



■初期資金

上で書いたとおり、本作の経済力(GDP)や財政健全度は統計データを元に設定しています。なので弱小県ほど収入が少ないうえに、高齢化などで赤字率だけはいっちょ前になります。

一方でゲームとして成立させるため、統計データとは別の部分でいろいろ調整しています。

まずゲーム開始時の初期資金は、基本的にどの都道府県も同じにしています。経済規模が小さい弱小県は初期資金だけでかなり食いつなぐことができる一方で、強豪県にとってははした金というわけです。



■日本国債

経済規模が大きな県ほど、初期債務額も大きいというハンデを与えています。日本国債を経済力に応じて引き継いだという設定です。

本来は財政に余裕がある強豪県でも、膨大な国債の返済に予算を割かないといけないので、ギリギリの財政状況になります。もともと財政がしんどい弱小県は初期債務額も低いので即死せずに済みます。



これらの調整により、弱小県の財政再建(収支改善)がやりやすくなっています。ただし経済規模そのものは小さいので、強豪県のように重税と地方債の乱発で戦闘機を大量導入するようなパワープレイはできません。弱小県は弱小県なりに工夫して戦う必要があります。

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