七草堂ひろきち 2019/04/16 00:05

西の神に選ばれた人の戦士。悪魔の宿敵!「ヘルハウンド」の血族。

モンスター連合が世界に影を落とし、あまりに無力な人々はただ恐怖する中、
それに呼応するように、東の果ての国の神から幽鬼が戦士として選ばれた。

そして、西の神からも戦士が選ばれ送られていた。
その名は「ヘルハウンド一族」


その血族は悪魔の力がよみがえると呼応し、いつも立ちはだかっていた。
悪魔にとっては、苦々しい宿敵であった。

神に祝福を受け、洗礼された武器を使い、悪魔と戦う術を持ち、
人間離れした身体能力、鍛え抜かれた筋力、そして恐怖を乗り越える鋼の精神力を持つ。


—ー幽鬼はとうとうその場所のボスを倒した。強敵が連続し現れかなり厳しい戦いだった。

「・・・百年に一度・・・。」
幽鬼は背後の近い声に驚き、鋭く身構えた。
「悪魔の城が現れ、人々に恐怖をもたらすという・・・。」

雲がどき月の光が差すと、そこに居るのは人間のようだった。幽鬼はホッと安堵する。
連れてこられた人間だろうか。
「貴方は人間ですね、命があるうちに立ち去りなさい。」

「フフッ・・・」
「・・・?」
連れてこられた人間にしては、様子がおかしい、この自信と気配・・・?
彼は少し笑うと次の瞬間、高速で何かが幽鬼に飛んできた。

「!!」間一髪首を反らし、その速度以上に素早くかわす幽鬼。
驚くべき速さと正確さだ!!これは、ムチか!

幽鬼の頬をかすめただけの傷跡だったが、焼けるように痛い!
これは、洗礼を受けた鞭だ。幽鬼の「魔」に作用し、煙と共に鋭い痛みが残る。

「・・・悪魔よ去れ!!ここは人間の世界だ!貴様らこそ居るべき場所ではない!」

にらみつける燃えるような瞳の奥には、強烈で氷のような殺意が見えた。
幽鬼は初めてここで気が付いた。敵だと思われている!?
「待ってください。私は敵ではありません!今も人間の為に戦っているのです。」

それを聞いたヘルハウンドの目が、さげすむような眼に変わる。
「・・・貴様らの戯言にはヘドが出る。悪魔に良いヤツは居ない。仲間同士ですら隙あらば今のように殺し合い、嘘を平気でつく。お前たちには人間と同じ空気にいるというだけで、不愉快だ・・・。」
鞭を握り直し、腰の裏に手を構え始めた。何かの武器があるのかもしれない。

・・・戦うしかない・・・。
善意が理解されないのは慣れていた幽鬼だったが、
「また・・」と一瞬涙ぐみ下唇を噛んだ。

だが、すぐに地獄の戦士としての本能は呼び覚まされ、戦闘状態に意識は集中した。
さっき見せた鞭の速度と正確さ、彼の身体能力は人間としては、確かにとびぬけていた。

だが、手の内を見せたのは失敗だったな。あれが彼の力なら、私の敵ではない。
あとは、自分の連続戦闘のこの身体がどこまで動くかだった。

ヘルハウンドについては、フォローさん以上で。

フォロワー以上限定無料

記事の無料の範囲を見ることができます。【全員見れます】の記事は全部見ることができます。

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索