バンディッツ・アフター(WE ARE BANDITS!! の後日談と、いつものイラスト)


WE ARE BANDITS!! の、その後のお話です。
小説形式です。けっこう長いです。
アフターだけに大いなるネタバレを含むので未クリアの方は注意して下さい。
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エリートな方々には、湯船でご満悦のナディアをご用意しております。




「だからさー、その条件じゃ引き受けられねーっての」
 そう言いながら、ナディアはガントレットに覆われた手をヒラヒラと振って見せた。
 思わぬ返答だったのだろう、向かいに座る中年男性がさっと顔を赤くする。
「そ、相場の三倍だぞ!? これでは足りんと言うのか!」
「金の問題じゃねーんだって」
 鉄仮面の奥から、深い溜め息が零れる。
「報酬は相場でイイよ。そうじゃなくて、アタシだけじゃなくて、魔術と聖術を使える奴も雇ってチームにしてくれって言ってんだよ。人数にしたって、馬車四台なら、最低六人は欲しいとこだよな」
「……む、むむ。しかし、人数はともかく、術が使える人材は……」
 高くつくのだ、と渋面を作った男性は、異民族との交易を一手に担っている商会の長だ。
 王国より独立自治区として認定され、いわゆる領主が存在しないこの街において、もっとも強い権力を持つ人物と言って差し支えない。
 そのような相手に対し、ナディアは気負うことなく淡々と対応していた。
「お前一人で十分ではないか! 息子の護衛として街を離れてから、あちこち巡り歩いて腕を磨いてきたのだろう?」
「そりゃ確かにな。前に比べりゃ強くなったよ。ベルナ中を走り回ったし」
「そうだ、そうだ。帝国に攻め込まれて混乱の只中にあったベルナから無事に帰ってきた。その腕と鎧を持ってすれば、この辺りのザコ盗賊など、まさしく鎧袖一触ではないか」
「……初めてピックルの護衛を引き受けた時は、アタシもそんなこと考えてたなー」
 ――ガシャン、と。
 この家においては日常の一部である重い金属音を鳴らし、ナディアは立ち上がった。
「いくら粘っても、アタシの条件は変わらねーからさ、あとはオッサンの方で呑むか、他を当たるかを決めてくれよ」
「ぐむぅ……」
 交渉の打ち切りを宣言すると、このまま続けても進展はないと判断したか、商会の主はぶつぶつと呟きながらナディアの家を出て行った。

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湯船に浸かってご満悦のナディア

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