イーグリ設計局 2018/06/06 21:10

働きながら創作している人へ

働き方改革という欺瞞

近年叫ばれている「働き方改革」というものにおいては、労働方法や時間に多様性・選択性をもたせて労働者の負担を減らしてゆこうという試みがなされています。
しかし、民間の事に国があれこれ口を出して上手く行った例というのはあまり聞いたことがありません。
もともと、日本では週6日労働がスタンダードでした。
とある時期から日本では週5日労働へと切り替える流れになっていったのですが、建設を始めとする一部の業界は未だに週6日労働を堅持しています。
つまり、業界ごとの歴史的背景や現状を無視して、さあ労働時間を減らせと言うのでは経営者はもちろんの事、従業員も困惑するでしょう。

自分はこれまでに色々な業界を経験してきましたが、建設業界に関してはまるで昭和かと言わんばかりの時代錯誤というか代わり映えのしない世界で、現場では鉄拳制裁がまかり通ってますし、雇用契約書も無ければ給料が今更手渡しなんて会社もあるぐらいです。

製造業の同一業界内で複数社を転々としていたこともありましたが、いずれの会社も待遇や休みについての考え方は若干異なり、正社員の有給消化率もかなりばらつきがあり、正社員の消化率が悪い会社では、当然非正規も有給は取れません。

東洋経済などの雑誌では優良企業・模範的な企業として紹介されやすいトヨタ自動車およびその傘下の企業ですが、工場部門は残業ありきの生産計画で非正規の工員だろうと月間の残業時間が40時間近くに達することも決して珍しくはありません。
(従業員によってはその残業時間が魅力なのですが…)

残業代のない会社だってあるんだからトヨタのほうが良いじゃないか!と言う方もいらっしゃると思いますが、金属の切り粉や機械油にまみれながらタクト内に作業を終わらせる孤独な戦いを延々とするのです。休憩時間は短く、トイレや食堂は遠く、極めて劣悪な職場です。
だいたいの人は半年やったら辞めて二度と来ません。私は変人なので何年もやってましたが。

自分はすでに学生時代から、働くようになればまともに創作活動ができなくなる事は予感していました。
東方projectの原作者のZUN氏のように、タイトーで働きながら30歳前後で独立を果たした人物もいますが、やはり退職してしまったという事は(知名度がつきすぎてしまったという問題もあるでしょうが)会社で働きながら創作を続けるのはかなり難しかったのでしょう。
早い人は、独立はもっと早いですし、そもそもビル・ゲイツのように大学在学中に準備を進めていて就職すらしません。ZUN氏はかなりギリギリのタイミングでの独立だったと思います。

創作の継続を志向すれば独立しか選択肢はない

当然、入社したての若者に家に早く帰って好きなことをさせるなど会社の人が認めるわけはありません。
鉄は熱いうちに叩けという言葉があり、将来性がある会社もない会社も若者は叩いてナンボだと考えます。
気がついた頃には役職や家庭まで持たされて、自分の時間が出来たと思ったらすでに年老いて若者と感性の共有なんかできなかった。というような、悲惨な未来が待っているのです。
おっさん向けの創作であれば、そういったものも需要はあるのである程度の年齢になってしまってからでもできるのですが、特定の世代にだけ迎合するような創作では、やはり作者としてのポテンシャルもそこで頭打ちになってしまうのです。

これからの自分の行動

すでに、創作活動を仕事として成立させた作者さんは多くいます。
ようは、歳相応に稼げればよいのです。普通の人にはそれがなかなか難しいと思いますが、稼げなければ残念ながら作者という立場からは退かねばならなくなるかもしれません。
自分は新作の東方鉄飛船BPで2018年の春季だけで総売上50万円近くを達成しました。50万円なんて、都会のコンビニの一日の売上金ぶんにもなりませんが、個人で稼いだ金額としてはかなり大きく、手応えを感じています。
先輩がたに追いつき、追い越せという気持ちでやっています。自分の使命は自活だけではないのです。そこから先にある「革命」なのですから。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

記事のタグから探す

月別アーカイブ

記事を検索